令和3年の初出勤。
緊急事態宣言が発令されるかもしれないという落ち着かない年明けです。
もちろん出社しても同僚とはほとんど会いません。
新年の挨拶回りも自粛で、一年前とはすっかり様変わり。
せっかくの新年最初のランチも、もちろんソロ活です。
「こんにちは新橋ランチ」の一環で、新橋駅前ビル1号館1階の昭和レトロ喫茶「カフェテラス ポンヌフ」へ。
「密」を避けて、11時半のアーリーチェックインです。
SNSで火が付いたこの店は、以前なら既に行列が出来始めていた時間ですが、さすがに行列はありません。
お店は今日が新年初営業のようです。
コロナ以降は初めての訪問ですが、テイクアウトを始めていました。
人気の行列店ですから、お客の立場からすれば、これも悪くありません。老舗の昭和レトロ喫茶でも、入口に除菌アルコール。
改めてコロナの影響を実感しつつ、手指消毒をしてから店内へ。
車も人も、往来の数は休日のようです。
これまた柔らかいハンバーグ。
今日はハンバーグスパゲティと決めてきました。
もちろん手作りプリンも付いたコーヒーのセットメニューを頼みます。
私の注文が
「バーグスパ~」
というホール係の女性の優しい声で厨房に伝えられます。
しばらくして運ばれてきたハンバーグスパゲティ。
久しぶりのご対面です。
普通盛なのに山盛りのスパゲティと、巨大ハンバーグ。
スパゲティはクルクルとフォークに巻き付けて、リフトアップ。
喫茶店のスパゲティは宙に浮いていないといけないという、昭和生まれの性なのです。
太麺を、アルデンテとは対極のフニャフニャに茹で上げて炒める、喫茶店のロメスパ。
その歴史と伝統を頑なに守っています。
ひと口食べてから、卓上のチーズを振りかけるルーティンを久しぶりでうっかり忘れていたことに気が付きました。
ハンバーグにフォークを入れます。
たっぷりのタマネギで水分多めのハンバーグは、注文を受けてから一つ一つ厨房で「パタパタ」と手ごねされるもの。
料理人の気持ちが伝わる職人の味です。
老舗喫茶店の矜持。
食べても食べても減らないバーグスパです。
中盤で「追いチーズ」。
ようやくお皿が見えてきました。
かなりの腹パンです。
食べ終わったタイミングでコーヒーセットが運ばれてきました。
ホール係のベテラン女性陣の気配りの成せる技。
そういえば、頻繁に水を注ぎに来るオペレーションも、全く変わりません。
ニューノーマル時代に、変わらないノーマルのホッとする嬉しさ。
初めてこの店に来た20年前から既に年季が入っていたミルクポットとシュガーポットも、絶滅危惧種の昭和遺産です。
300円追加で、このサービス。
頼まない手はありません。
プリンにスプーンを。
ハード系のプリンは、スプーンを押し戻す猛烈な抵抗力。
ほぼ円柱形のプリンは、私がスプーンで掬っても微動だにしない固さ。
潔く、そして頼もしい。
旨味と甘みが凝縮したカスタードプリンは、ほろ苦いカラメルと混然一体となって、たまご好きの私には堪らない旨さ。
一気に「大人食い」したい気分ですが、あまりの懐かしさと素朴な美味しさに、乙女のように少しずつ勿体ぶって食べる私。
ゆっくりと40分ほどかけて食べ終わったソロ活ランチ。
お客さんが帰るたびに、しっかりとテーブルも椅子も消毒するホール係の女性の優しくも心強いプロ意識に改めて感心しました。
多くの人に負担を強いるこの鬱陶しい時代が、早く終わってほしいものです。
カフェテラス ポンヌフ (喫茶店 / 新橋駅、汐留駅、内幸町駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.5