スタートが早かったので、解散も早く、もう少し飲みたい気分。
今年はまだ立石で飲んでいないので、行ってみることにしました。
ところが、青砥からの乗り換え電車の種別を間違えて押上まで行ってしまい、立石に着いたのは20時半。
自分の通勤路線にもかかわらず、痛恨のミス。
駅前には市街地の再開発計画が掲示されていました。
私がかつて足繁く通った店があるエリアは悉く対象となっています。
まずは呑んべ横丁へ足を向けます。
戦後の匂いが色濃く残るこの一角も再開発で消えゆく運命です。
今日の狙いは秀の生ホッピーでしたが、早仕舞いのこの店の閉店にはやはり間に合わず。
電車の乗り間違えが悔やまれます。
悔やんでも仕方ないので、方針変更。
やはり立石でお気に入りの蘭州へ。
並ぶかな、と思いましたがカウンターに空きがありました。
既に上野で飲んでいますので、まずは紹興酒から。
焼き餃子と水餃子の両方を頼むのが私の決まり。
先に焼き餃子が出てきました。
美味しそうな焦げ色です。
辣油と醤油とお酢のベーシックなスタイルで。
皮も餡も全て手作り。
注文を受けてから、「焼き」か「水」かに合わせて皮から作る絶品餃子。
餡も肉と野菜のバランスが絶妙です。
水餃子が出てきました。
いつも通り香菜のせで。
「焼き」と「水」の両雄揃い踏み。
そしてもう一つのルーティンは、香醋。
お母さんに香醋を頼みます。
香菜と香醋とお母さんの手作りの水餃子。
素晴らしいコラボレーションです。
焼き餃子が餡の旨味を封じ込めているのに対し、水餃子は程よく肉の脂が落ちたさっぱりした味わい。
香菜と香醋が、その美味しさを更に引き立てます。
ここで禁断の老龍口に手を出します。
高粱で作られた中国東北部で愛飲されている蒸留酒。
独特の薬草臭さが、不思議と癖になる魅力があります。
ロシアのウオッカとともに、寒い地方で暖を取る意味もある超ハードリカー。
いつもこれで沈没して電車を乗り過ごすことになるのですが、今日はさほど酔っていないので、大丈夫でしょう。
そろそろ締めにしましょう。
ワンタンメンを頼みます。
アツアツの湯気とともに、素朴な懐かしい鶏ガラベースの醤油スープの香りが鼻をくすぐります。
そんなスープをまずはひと口。
酔った身体に染み渡る滋味深い味。
黒胡椒を振って、頂きます。
麺は中太。
緩やかなウェーブが、スープをうまく引き揚げます。
かん水が強めの、いかにも中華そばらしい麺。
餃子の名店ですから、ワンタンが美味しいのは当たり前。
だからいつもワンタンメンを頼むのです。
あっさり完食。
本当はスープも飲み干したいくらいでしたが、満腹でそれは叶わず。
再開発が始まれば、私の大好きな店の行く末は、築地市場の飲食店同様気になるところ。
できるだけ足繁く通わなければ、と思いました。