「もつ焼き小江戸」で下町酒場を楽しんだ私は、青砥の開拓を兼ねてすぐ近くにある「手打ち蕎麦 かとう」の暖簾をくぐります。
蕎麦屋飲みが出来るお店で、手打ちの蕎麦と饂飩が評判とのこと。
こじんまりした店内はカウンターと小上がり、テーブル席という設え。
ご夫婦で切り盛りされているようです。
ジャズのBGMは、ご主人の趣味でしょうか。
お蕎麦はもちろん、蕎麦屋飲みもできる品書きです。
興味はありますが、既にお蕎麦以外の胃袋のスペースは無いので、今日は見送って、せいろと田舎の二色盛りにします。
先にそばつゆと薬味が出てきます。
奥さんの優しく丁寧な接客は好印象。
片やご主人は、鍋と向き合う表情が、まさに職人気質。
6、7分でお蕎麦がカウンター越しに供されました。
シンプルなプレゼンスですが、瑞々しさを感じる蕎麦です。
まずはせいろから。
繊細な細切りは、蕎麦の風味をしっかり感じます。
所々短い蕎麦が混じっているのは、手打ちなので茹でるときに切れるからでしょう。
濃いめのキリッとしたそばつゆとの相性も良し。
一方の田舎は、しっかりとした食感。
蕎麦の風味はせいろと異なり、ワイルドな感じが渋い。
もちろん最後は蕎麦湯で締め。
濃いめの蕎麦湯は私好みでした。
蕎麦屋飲みを楽しんでいた先客の方が二色を頼んだところ
「すいません、田舎が終わってしまいました」
と奥さん。
私がラストを頂いてしまったようで、申し訳ないような、ラッキーだったような複雑な気持ちになりました。
お会計を済ませて、暖簾が下ろされたお店を後にしました。
雨は少し強くなっていました。