時計はそろそろ16時。
せっかく京都の来たので、どうしても行きたいお店がありました。
幸い四条烏丸からはさほど遠くない所。
菊水鉾を見てから室町通を北へ。
御池通を越えて北に一本、押小路通を西へ向かいます。
レトロな喫茶店が見えました。
喫茶マドラグ。
なんともレトロな佇まい。
居抜きだったのか、以前の店の看板が残っています。
通し営業なので、 この時間でも開いています。
ドアを開けると、かわいいお嬢さんが出迎えてくれました。
「申し訳ありません、ただいま満席なんです」
「あ、そうなんですか。どれくらい待つんでしょう?」
「今入っているお客さん次第なので、なんとも・・・」
私は相当悲しい顔したのでしょう。
「よろしければ携帯にお電話しますので、どちらかでお待ちになりますか」
私は心の中の暗雲が晴れていくのを感じました。
携帯番号を告げて店を後にしました。
コンビニで涼みながら時間を潰そうと御池通に向かっていると、金色の鳥居のある神社に出くわしました。
写真を撮っている観光客もいます。
御金神社(みかね神社)。
日本神話に登場する伊邪那岐(いざなぎ)・伊邪那美(いざなみ)の皇子である金山毘古神 (かねやまひこのかみ)がご祭神としてまつられています。
金山毘古神は鉱山・鉱物の神として、人間の生活の中で用いられる金属全般(剣、刀、鏡、鋤、鍬な ど)にご利益を授ける神様です。
通貨に用いられる金・銀・銅にもご利益が あることから、資産運用や不動産、転宅、方位、厄除け、旅行中の無事安全を護る大神として、広く崇められるようになりました。
御札の類も皆、金色。
なんとしても金運を引き寄せなければなりません。
こんな時のために常に財布に常備している五円玉に願いを込めて。
20分ほどしてスマホが鳴りました。
席が空いたそうです。
店内もレトロな雰囲気です。
夜はバースタイルになるようで、既にビールを飲んでいるお客さんも。
カウンターの上に卵が山積みになっているのを見逃しませんでした。
もちろんコロナの玉子サンドイッチをオーダー。
トルコライスや自家製ケチャップの鉄板ナポリタンなど、気になるメニューが他にもいっぱいありました。
ドリンクはアイスコーヒー。
もう汗だくです。
アイスコーヒーが出てきました。
茶褐色の液体がナミナミ入った大きな器が添えられています。
「これは、何ですか?」
「ケーキシロップです」
「ホットケーキ用の、ですか?お砂糖代わりに使うんですね」
色を見て、そうだろうとは思いましたが、ちょっと意外でした。
少し遅れて玉子サンドが出てきました。
写真で見てはいたものの、実物が目の前に出てくると、その大きさと美味しそうなビジュアルに圧倒されます。
たまご好きの私は大興奮。
感動で身体の震えが止まりません。
「生きていて良かった」
と心の底から思いました。
卵料理は必ず解剖しないと気が済まない私は、内部を確認。
片側にはドミグラスソースと思しきものが塗られています。
反対側にはマヨネーズ。
必要にして十分な組み合わせです。
オムレツがあまりにも分厚くフワフワなので、その状態を動画で撮影。
お店のかわいいお嬢さんは、怪訝な表情で、挙動不審な謎の中年を見ています。
玉子サンドを撮影するお客さんはいるでしょうが、こんなに何枚も撮る人はいないからでしょう。
一口齧り付いてみました。
ほのかな塩味だけの、玉子の味がダイレクトに伝わる味。
アツアツフワフワで、サンドしてある食パンからスルリと抜けてしまいそうです。
もちろん、控えめなソースとマヨとのコラボもバッチリ。
若いご主人に卵を何個使っているのか聞いてみました。
卵4個を使い、蒸し焼きにしているそうです。
4個にしてはボリューミーなのは、その調理法によるのでしょう。
もちろん牛乳や水なども入れているかもしれません。
いずれにしても、伝説のレシピ。
大興奮、大満足。
すっかりお腹いっぱいになった私は、消化を促進するために再び四条烏丸まで歩くことにしました。
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喫茶マドラグ (喫茶店 / 烏丸御池駅、二条城前駅、丸太町駅(京都市営))
昼総合点★★★☆☆ 3.7