元々は会社の同僚たちと作っている「下町ハシゴ酒の会」で行くべく、私が苦労して取った予約です。
11月に一度取れた予約は、先輩のご不幸があって、キャンセル。
リベンジで予約した今回の予約も、オミクロンの感染拡大でまたも流会となりました。
しかし、どうしてもこの予約を無しにしてしまうのはもったいないので、家族に
「みんなで行かない?」
と持ち掛けました。
ご馳走ならすぐに乗ってくる息子たちに妻も加わり、予約より1名多い5名となりました。
お店に連絡すると、営業はしているものの、21時で閉店と言います。
私の予約は19時半からでしたので、ダメ元で19時からにならないか聞いてみたところ、1名増も含めてOKが出ました。
やはり、オミクロンでキャンセルが出ているのでしょう。
今日は出勤。
18時過ぎに会社を出て平井駅に着いたのは18時45分でした。
総武線沿線の居酒屋を絨毯爆撃している私ですが、この駅には初めて降り立ちました。
北口から徒歩3分。
交差点の向こうにひと際目立つ大きな豊田屋の看板が見えました。
昨年秋の鍋シーズン開幕前に改築をしたというお店は、看板や入口の構えも新さを感じます。
初めての訪問なので、写真などでしか比較のしようがありませんが、以前の構えを残しつつリニューアルした印象です。
19時10分前のチェックイン。
各自現地集合としましたので、私が一番乗り。
真新しい店内は、新しい調度と古い什器がミックスしているようです。
やはりコロナの影響か、予約が取れない人気店なのに、かなり空席が目立ちます。
今なら、ふらりと来ても入れそうです。
時間の変更も、人数を増やすのもすんなり受けてくれた理由がわかりました。
入口すぐのテーブル席に案内されました。
5人の場合は、4人掛けの席に椅子を一つくっつけて座るというシステムです。
短冊のような札のメニューがぶら下がり、私のテンションも一気にアップします。
お酒のラインナップも充実。
私の好きなホッピーはありませんが、下町ハイボールがあります。
もちろん、お店の看板にもTシャツにも書かれている浅草地酒の浅草無双も外せません。
黒い札は一品料理。
生ビールで喉を潤すことにします。
乾杯!
そうこうしているうちに、次男、長男、そして妻と三男がそれぞれ到着しました。
各自ドリンクを注文。
私はキイロ(下町ハイボール。メニューでは白と書いていない焼酎ハイボール)をオーダーします。
大好きなドリンクなのです。
今日は三男がハンドルキーパーなので、彼は烏龍茶です。
一つ一つが大振りのカキ。
鍋のオーダーを入れた後、一品で古漬けと牛煮込みを頼みます。
古漬けは、程よい酸味が実に美味。
牛煮込みもトロトロ。
汁も抜群に旨い。
鍋を除いても、居酒屋としてのレベルの高さを感じます。
しばらくして、具材が山盛りの鍋が運ばれてきました。
カキ2、白子1、アンキモ1、アンコウキモ入1でまずは探りを入れることにしました。
鮮度の良さがわかる美しい具材と、その盛り付けの迫力に、思わず家族から歓声が上がります。
センターには白子が贅沢に。
その向こうにはアンキモとアンコウ。
息子たちはアンキモにかなり期待しています。
先週末に突然決まった豊田屋訪問ですが、それ以来食べログなどのSNS情報を相当リサーチしたようです。
鍋は強火。
我々は初めての訪問ですが「勝手に鍋を触ってはいけない」ルールは承知しています。
まだ鍋が出来るまで時間がかかりそうです。
リサーチで評価の高かった煮凝りも注文。
プリプリとしていて美味しい。
鍋は次第に煮詰まって、山盛りだった具材に火が通っていきます。
ここでご主人が登場し、初めて鍋を整えます。
鍋奉行の人には物足りないかもしれませんが、私たちは旅館でお料理を頂くような贅沢な気分で、楽チンだし嬉しい。
まだもう少しかかるようです。
足下のガスストーブと頭上のエアコンで私は汗をかいてきました。
下町ハイボールをお代わりです。
鍋はようやく整ったようです。
ご主人が再び登場し、初めて火も弱火に調節されました。
最初にスープを取り分けてくれます。
「スープは最初に飲んでください。味が変わる前に」
一見厳しそうに見えるご主人は、物言いこそ伝法ですが、下町らしい優しいお父さんなのです。
いい塩梅に仕上がった鍋を、ようやく頂きます。
大きなカキはしっかり煮ても、まだジャンボサイズ。
妻にはご主人がアンコウのコラーゲンの部位を取ってくれました。
「プルプルになるかなぁ~」
と妻は喜んでいます。
「もうちょっとアンキモが食べたい」
という三男の希望で、一人前追加オーダー。
鍋の味が同じなら、追加も可能です。
一人前ですから、アンキモだけでなく野菜などもセットになっています。
大阪赴任時代、何度か行った西成の「なべや」を思い出しました。
焼酎ハイボールは三杯目。
今度はキイロではなく、白にしました。
いわゆるプレーン酎ハイです。
いわゆるプレーン酎ハイです。
グツグツと煮詰まってきたところで、ご主人からOKが出ました。
私もアンキモを一切れもらいました。
後は、息子たちに食べてもらいます。長男が
「古漬け、もう一回頼んでいいい?」
と聞いてきます。
私も気に入ったので、もちろん再発注。
こういう展開となれば、やはり日本酒でしょう。
もちろん浅草無双を常温で。
お皿に零してくれたお酒は、グラスに戻すのが流儀。
次は鴨鍋。
みんなに聞いたところ、まだ食べられるということなので、二人前オーダー。
計画通りの進行です。
鴨肉の赤色が美しい。
これで二人前とは思えない肉の盛り上がり。
時間が経つにつれて、あれだけ盛り上がっていた肉も、汁を吸って次第に鍋に沈んでいきます。
頃合いを見て、ご主人が鍋を整えに来ました。
テレビのサッカー日本代表戦を見入っていたのに、ちゃんと鍋には目を配っているのです。
私は浅草無双をお代わり。
日本酒は美味しいのですが、私は酔ってしまうのでデンジャラス。
しかし、今日は運転手付きの車で帰れますから安心です。
ご主人のOKが出たので、箸を鴨鍋に伸ばします。
みんな「旨いなぁ」と言いながら、パクパクと食べています。
私は息子たちがモリモリと食べるのを見ながら、ゆっくりとお酒を愉しみます。
喜んで食べてくれると、ご馳走のし甲斐もあるというもの。
鴨鍋も平らげました。
締めは、うどん、雑炊などの選択肢がありますが、今日はSNSで仕入れた計画を実行に移します。
かつ煮です。
鴨の旨い出汁を吸った汁に、スープと玉ねぎを追加してくれます。
私は振り出しに戻って、キイロを。
火曜日だというのに、いったい何杯飲んでいるのでしょうか。
スープが煮立ったところに、揚げたてのとんかつを投入。
「ジュウ」という音が、お腹いっぱいにも関わらず、食欲を刺激します。
これは間違いなく旨いに決まっています。
大鍋がグツグツと煮立っているところに、溶き卵を投入。
家でも鍋はよくやりますが、こういう締め方は初めてです。
小鉢に取り分けて頂きます。
酒に合い過ぎる旨さ。
ご飯があったら、オン・ザ・ライスでかつ丼です。
お会計はこれだけ食べて飲んで28,720円。
皆、喜んでくれて、いい家族サービスが出来ました。
是非、また来てみたいお店です。
カウンターで一品をつまむのも楽しそうだな、と思いました。