2024年12月6日金曜日

【50年の歴史に幕を下ろす築地「魚竹」にお別れのご挨拶。37年間お世話になった素晴らしいお魚ランチにありがとう&さようなら】

 

「50年続いた築地の魚竹が年内で閉店」
という衝撃的なニュースをSNSで知ったのは11月。
1987年の東京転勤以来、自分へのご褒美として美味しいお魚ランチを頂いてきたお店です。
本社が築地から新橋に移り、私が大阪に転勤したり虎ノ門に出向したりと間が空いた時期はあるものの、37年間お世話になった私には特別な思い出が詰まっています。
なんとか時間を作って、やっと築地を訪れたのは12月6日(金)の12時。
出遅れたせいで、行列は20人以上並んでいるようです。


最後尾に並びますが、一時間は待ちそうです。


路地の角を曲がってお店が見えるまで丁度1時間。


行列の先頭に辿り着くまで更に15分。
懐かしい店構えと暖簾は、37年前と変わっていないように思えます。


しかし、50年の歴史に幕を閉じるお知らせの貼紙を見ると、この店と初めて出会ってから、とてつもない年月が流れたのだと実感します。


注文は私のルーティンで、と決めて来ました。
まだ売り切れてはいないようです。


1時間20分待って、ようやく入店です。
古いお店ですが、いつも掃除の行き届いた厨房に、この店の矜持を感じます。
「お久しぶりです!」
と弟さんに声をかけられます。
近年の挨拶の定番はこれ。
前回来たのは一年半前ですから、いかに不義理をしているか、という証でもあり忸怩たる思いです。


イケメン兄弟もさすがに年を取りましたが、それは私も同じこと。
「ご注文は?」
と聞かれて
なかおちお浸し玉子焼きをお願いします」
と答えます。
お浸しはブロッコリーと小松菜があるとのことで、小松菜を注文。
玉子焼きは、なんとこれから焼いてくれるそうで、アツアツが頂けそうです。
「今日は、ご飯は?」
「ややおもでお願いします」
何度も繰り返された儀式をつつがなく終えて、ホッと一息。
食べたいものが最後に全部食べられるのです。
ランチの基本セットがのったお盆が運ばれてきます。
裏方とホールを仕切る奥さんたちも、本当に優しい。
味もさることながら、この店の接客が気持ちよくて通っていたと言っても過言ではありません。


ややおも(やや大盛)のご飯には小梅
日の丸弁当のようなビジュアルが可愛い。
ご飯はお代わりもできますが、私はずっとこのスタイル。


味噌汁マニアの私が過去食べた中で、群を抜く旨さの魚竹の味噌汁
これもお代わり自由。


白菜の浅漬けワカメの酢の物とも、もう会えないかと思うとしんみりしてしまいます。


そこへおかずが出て来ました。
なかおちのセットは贅沢な気分。
昔から、嬉しい事があった時や落ち込んだ時、自分へのご褒美や励ましとして一品追加していた事を思い出しました。


美味しそうな焼き色の銀鮭照焼
たっぷりの大根おろしが嬉しい。


小松菜のお浸しも出てきて、玉子焼き以外は出揃いました。


まずは味噌汁から。
豆腐と葱という基本形ながら、出汁も味噌もいちいち旨いのです。


最初は中落をオン・ザ・ライスで。


続いて、お兄さんの手による絶妙な焼き加減の銀鮭照焼もオン・ザ・ライス。


しっかりと味わって。
もう二度と食べられ無いのですから。


そこへ玉子焼きも出て来ました。
焼き立てのアツアツ。
固めでほんのりと甘みを感じる江戸の味。
大阪の出汁巻き文化で育った私ですが、いつの間にかこの味がスタンダードになりました。
もう人生の三分の二近くは東京なのです。


新鮮でシャキシャキした食感のお浸しも、実に美味。


せっかくですから、白菜の浅漬けもワカメの酢の物もオン・ザ・ライスで。


銀鮭と大根おろし、玉子焼きや中落ちも、ややおものご飯と合わせます。
ひと口ひと口、大切に自分の記憶に刻むように。


味噌汁はもちろんお代わり。
二杯目は、お椀ももちろん、必ず具を変えてくれる憎いサービス。
これでもかというくらい入った油揚げに、私はとても幸せな気分です。


少しずつ少しずつ、じっくり味わって食べ進みましたが、いよいよ魚竹ランチの最後の時が迫ってきました。


ここで、三杯目となる味噌汁を頂きます。
今度の具はワカメでした。


最後のひと口も、もちろんオン・ザ・ライスで。


とうとう食べ終わってしまいました。
私と魚竹の37年も、これで終わりです。


お会計を済ませると、
「どうぞ寄せ書きを書いていってください」
と声をかけられました。
築地時代はランチこそよく通いましたが、夜は年に一回くらいしか行かない、常連とも言えない私にも温かい言葉をかけてくれて感無量です。
吉田類も来た名酒場の壁に書かれたみなさんの寄せ書きの邪魔にならないよう、控えめに37年の感謝の気持ちを書き留めて、店を出ます。


行列はかなり短くなっていましたが、まだ途切れることはないようです。
初めてこの店に来た時は、私はまだ未婚の26歳の駆け出しサラリーマンだったことが、昨日のことのように思い出されました。
ごちそうさまでした。
そして、本当にありがとうございました。


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季節料理 魚竹食堂 / 築地駅新富町駅東銀座駅
昼総合点★★★★ 4.0

2024年12月5日木曜日

【懐かしい同期メンバーとT先輩を交えた「別班 その他会」② 二次会は当然の流れで「バーVerry」。楽しいメンバーで会話も弾む】


安くて旨くて居心地が良いという三拍子揃った銀座2丁目の居酒屋「しのだ家」を出て、ブラブラと歩きます。
向かうのは3丁目の「バーVerry」
T先輩との飲み会といえば、ここで締めるのが習わし。


螺旋階段を上がって店内へ。
20時といえば、バーでは宵の口。
我々が口開け客のことが多い、いつも通りの二次会です。
そして、いつも通りリザーブしてくれている奥のテーブル席へ。


今日はKさんの誕生日が近かったのでそのお祝いも兼ねてというのがNさんのコンセプト。
我々は無関係なのに、Nさんから、Kさんの誕生日プレゼントのお相伴でプチお土産をいただきました。
ありがとう。


セレモニーが終わって、乾杯。
二次会のスタートです。


テーブルに置かれる乾きものも、いつもと変わらないのが昭和サラリーマンには嬉しい。


T先輩が水を向けて、私のトークが始まります。
我が家夫婦のネタがユニークで面白いらしく、それを披露すると結構笑いを頂けます。


もちろん私がネタを披露すると、みなさんも刺激されていろんな方向に話が広がるのが、昭和世代の同僚たちの気が合うところ。


気の置けない仲間とトークが弾むのは楽しいのですが、飲み過ぎは要注意。
T先輩を囲む「その他会」は、私にとっては「乗り過ごし」のリスクの高い会でもあるのです。


お開きはいつも通り2時間。
21時にはお店の前で記念社員を撮って、解散。
さすがにこの時間なら乗り過ごしても上りがありそうです。
 

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ベリーバー / 東銀座駅銀座一丁目駅新富町駅
夜総合点★★★☆☆ 3.5

【懐かしい同期メンバーとT先輩を交えた「別班 その他会」① T先輩推奨の銀座「しのだ家」は丁寧な料理と接客で居心地の良い酒場】


今日はかねてから企画していた「別班 その他会」。
T先輩を囲む「その他会」のスピンオフ企画です。
T先輩と繋がりの深い私の同期女性二人をフィーチャーした希少な会。
場所はもちろんいつも通り旧本社所在地の東銀座なのですが、今回定番の「銀座長寿庵」が予約できず、T先輩からオルタナティブな提案がなされました。
「長寿庵の近くに良い居酒屋があるんだよ。そこでやろう」
「承知しました」
と私。
そもそもT先輩の提案を断るわけなどありません。
むしろ新店を紹介されるなど、なかなか無いことです。
そのお店は「しのだ家」
かつて本社が築地にあった頃はホームグラウンドだったこのエリアも、今の私には浦島太郎。
以前はどんな店が入っていたのかすら思い出せません。


店先の黒板にはびっしりとお勧めのメニューが書かれていて、期待が高まります。


先輩が予約してくれていたので、すんなり入店できましたが、L字カウンターとテーブル席というさほど広くないお店は、既に満席です。
Cozyな雰囲気が素敵。


ふと見ると、なんと来年2月に銀座1丁目に移転するとのお知らせ。
ここからさほど遠くはなさそうですが、むしろこの地で12年も営業していたことを知らなかった私は忸怩たる思い。


まずは乾杯。
黒ホッピーが置いてあったので、私は迷わずそれをチョイス。


同期のNさん、KさんとT先輩というレアキャラの組み合わせでジョッキを合わせます。


早速メニューをチェックします。
料理はどれも素材を活かした美味しそうな創作で、選ぶのを迷ってしまいます。


もちろん黒板のメニューも見逃すわけにはいきません。


春菊とピーマンのお浸し


5種の野菜が入ったグリーンサラダ


メニューにはない安納芋のフライ
甘みのあるホクホクとした食味食感がナイスです。


黒ホッピーはたちまちナカをお代わり。


黒板からレバーカツレツを頼みます。


薄く叩いたレバーはサクサクした衣とのコントラストがナイスな一品。
これは秀逸なおつまみです。


ホッピーのナカは三杯目。
同期女性たちとは長い付き合いながらも、T先輩を交えて飲むのは初めてなので、とても新鮮で楽しい飲み会です。


この時期ですからカキフライは食べたいもの。
大粒カキフライを一人一個の4個で作ってもらいます。
本来は一皿3個ですが、そんなわがままも優しく聞いてくれるのが嬉しい。


「カキフライといえば、タルタルだろう」
と言いながら、T先輩はソースもかけています。
もちろん私も見習います。
大粒でプリプリとしたカキは、実に旨い。


定番メニューから燻製蒲鉾板わさを頼みます。
これは珍しく、そして酒に合います。


メニューにはない焼き餃子も一人一個でお願いします。


これがなかなか専門店レベルに美味しい。


きびなごの一夜干し
今となっては高級食材となってしまったきびなごを一夜干しにしたものですが、これもお酒にあうつまみです。


最後は、定番メニューから砂肝のアヒージョ


グツグツと煮立つオリーブオイルとニンニクの香りが食欲をそそります。


ここで私はKさんを真似してグラスで白ワインをもらいます。
「白ワインを飲むなんて!キャノンデールといえばホッピーだろう」
と茶化されますが、私もワインは飲むのです。


アヒージョはパンにのせて。
さすがにこれは黒ホッピーよりも白ワインが絶対いいでしょう。


Nさん、Kさんとは親しい間柄とはいえ、こうして飲むのはいったいいつ以来だろうというほどのご無沙汰です。
四方山話に花が咲き、皆のエンジンもしっかり暖まりました。
二軒は「その他会」定番の「バーVerry」で決まり。
その前にお店の前で記念撮影です。

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夜総合点★★★☆☆ 3.5