青物横丁の「うなぎ 丸富」で鰻の串焼きと蒲焼を凍結酒で楽しんだ私は、せっかくの京急沿線なので、立会川に移動します。
かつての刑場にその地名の由来のある川沿いに歩き、お目当ての店へ。
城南を代表する下町酒場の一つ、「鳥勝」です。
テント看板には「やきとり」とありますが、もつ焼きの店。
暖簾を潜ると相変わらずの大繁盛。
一見して満席のようですが、一人ならなんとかなるので、待つことにします。
一旦は「満席です」と断った奥さんですが、奥のテーブルが空いているのを見つけ、「相席で良ければ奥のテーブル席へ」と案内されました。
行くと、まだお皿もジョッキも下げられないまま。
奥さんに協力して、テーブルを綺麗にするところから始めます。
ここはセルフサービスなのです。
まずはドリンク。
厨房に行き、奥さんにホッピーと申告。
ジョッキに氷とダイヤ焼酎を入れてもらい、ホッピーを受け取って席に戻ります。
ソトを注いでひと口飲んで、まずは人心地。
テッポウ塩、カシラタレ、ハツ塩、シロタレを紙に書いて頼みます。
なかなか出てこないのはわかっているので、コブクロ刺しも追加注文。
するとご主人が
「ハツが終わったのでタンでもいいですか」
と厨房から私のテーブルまで聞きにきます。
手には私の注文と思われる生の串を持ったまま。
相当テンパっているのでしょう。
「いいですよ」(というか他に選択肢もないので)と答えると、そのまま焼き台にすっ飛んで戻っていきました。
先に出て来たコブクロ刺しをつまんでいると、若いカップルと相席になりました。
壁のメニューを見ながら途方に暮れているようなので、お節介とは思いながらオジサンが声をかけます。
「初めてですか?」
「はい」
「ここはセルフサービスなので、お母さんに紙と鉛筆をもらって、食べたいものを書いて渡すんです。お酒も飲みたいものを申告して作ってもらって。氷はあそこの製氷機からセルフで」
と教えてあげます。
聞けば、最近引っ越してきて、この店がいつも流行っているので来てみたといいます。
私の息子ぐらいの年齢の、色黒のイケメンお兄さんと、可愛いお嬢さん。
結婚しているのかどうかはわかりませんが、仲睦まじい感じがナイスです。
思ったほど待たずに出て来たもつ焼き4種。
いつもよりも焼き過ぎていて、塩が多くてしょっぱいのは、ご主人が忙しくて焼き台に専念できないせいでしょうか。
ナカをお代わりして、クイックに仕上げました。
お会計はセンベロの1,180円。
ご夫婦のキャパを超える繁昌はSNSのせいかもしれません。
しばらくご遠慮した方がいいかな、と思いました。