東十条の昭和酒場「新潟屋」のもつ焼きと下町ハイボールでエンジンを暖めた私は、二軒目に向かいます。
食後の運動とダイエットを兼ねて、東十条から王子まで歩いて移動します。
小雨が降っていますが、毎日8,000歩は歩くようにしているのです。
王子と言えば「山田屋」の食堂飲みも魅力的ですが、生憎お腹は一杯。
料理よりも、「宝泉」の猛烈に濃い生ホッピーが飲みたい気分です。
「テレビあります」という入口の行灯看板は、いかにも昭和な雰囲気を盛り上げてくれます。
すだれ暖簾を潜ると、そこは入口からは想像も出来ないオオバコ店。
大きなコの字カウンターが二つあり、壁も天井も見事な飴色。
これ以上ない昭和大衆酒場の雰囲気です。
客の入りは、6、7割といったところ。
若い方もいますが、地元のご年配層が多いように見受けます。
皆さん、ご常連なのでしょう。
こういう酒場が家の近所にあるのが羨ましい限り。
振り返ってみれば、厨房はしっかりと磨きがかかっています。
先ほどの新潟屋同様、間違いないお店だとわかります。
オペレーションはお母さんとご主人と奥さんというアットホームな布陣。
まずは生ホッピーをオーダー。
カウンターの上に、奥さんがナミナミと入ったジョッキを置いてくれます。
ここの生ホッピーは三冷スタイルながら、キンキンに冷えているというわけではなく、泡もほとんどありません。
まずはひと口。ナカが濃いので、パンチの効いた味わいと喉越しです。
言ってみれば「ストロング生ホッピー」といったところでしょうか。
つまみは数多ある短冊の中から、肉豆腐をチョイス。
やはりダイエットを意識してヘルシー志向です。
しっかりした味付けの肉豆腐は、ホッピーが進む味。
ストロングだけに危険ですが、美味しいのでもう一杯飲みたくなります。
生ホッピーのお代わりを頼んで、つまみはニラ玉。
なかなかオイリーですが、揚げ物よりはカロリーは低いでしょう。
隣の男性二人の話が聞くとはなしに耳に入ってきます。
どうやらアマチュア野球の審判員らしく、日常の仕事とは別にその活動をしているようです。
組織内のあり方や、誰が良いとか悪いとか、そんな話は昨今のスポーツ団体のガバナンスとコンプライアンス問題にも似て、とても興味深いもの。
私の知らない世界を垣間見ることができる下町酒場巡りは、これだからやめられません。
二軒ハシゴして、ちょうどいい塩梅に酔いました。
センベロのお会計を済ませて、駅に向かいます。
月曜日から乗り過ごしては大変です。