スマホが無事手元に戻って嬉しい気分。
一軒目の「寅屋 JR店」でしっかり飲んで食べましたが、せっかく成田まで来たのでもう一軒ハシゴする事にします。
駅から坂道を下って、以前から気になっていた国道51号線成田街道沿いにある居酒屋「五味酉」へ。
かつて成田駅前で屋台もやっていたという、ラーメンも美味しいと評判の居酒屋です。
いつの間にかお店の後ろに建っていたセンターホテル成田2という新しいビジネスホテルのとのギャップ感がハンパない飯場のようなプレハブです。
入口横にラーメンの暖簾がかかっているのは、屋台風に立ち食いできるのでしょうか。
すだれ暖簾をくぐって、店内へ。
カウンターと小上がり。
雑然とした雰囲気で年期も入っていますが、厨房はきちんと磨かれています。
これなら大丈夫でしょう。
人懐っこい店主に、ホッピーを頼みます。
白しか無いそうなので、それで。
「茹で玉子サービスですから、どうぞ」と勧められます。
確かにザルに入った茹で玉子が空席にセットされています。
しかもカウンターの上にも山盛りの茹で玉子。
寅屋でしっかり食べたのでお腹はあまり空いていませんが、せっかくなので何かつまみましょう。
メニューを見れば、なんと英語並記。
さすが国際都市成田だけに、こんな店にまでインバウンドが来るのでしょう。
すぐ裏のビジネスホテルにもインバウンドが多そうです。
焼鳥屋なのですが、海鮮が旨いという情報です。
目の前の鯖味噌煮も美味しそうですが、さっぱりと刺身が食べたかったので、まぐろぶつを頼みます。
「美味しいですよ、うちの名物です」
と自信満々の返事に期待が高まります。
狭い店内は、カウンターにはテレビを眺めるひとり酒の年配のご常連。
小上がりには仕事帰りのサラリーマン。
客層も幅広いお店です。
ホールを取り仕切るご主人と、白い上っ張りを着た年配男性が厨房に。
ご兄弟でしょうか。
どちらがご主人なのかも正確にはわかりませんが。。。
更にエプロン姿ながら妙に艶っぽい美人お姉さんもホールと厨房のお手伝いを担当。
奥さんと言うには若すぎるので娘さんかも。
そんないつもの人間観察をしているうちにまぐろぶつが出てきました。
「えっ、こんなに!?」
というほどのボリューム。
中とろ的な部位も混じって500円とは破格です。
ダイエットで封印していた禁断の締めラーメンを目論んでいましたが、このまぐろぶつでかなりお腹が膨れてきました。
そこへ大衆居酒屋に場違いな若いカップルが来店し、私の隣に座ります。
片言の日本語を話す彼と、中国語しか話せない彼女。
どうやらラーメンを食べに来たようです。店主もメニューを英語化する位ですから、異文化コミュニケーションも慣れたもの。
無事カップルは豚骨ラーメンを二杯注文。
そんな微笑ましい光景を眺めながらホッピーのナカをお代わり。
しかし、ここで白衣のおじさんが
「ラーメン終わりだ!スープが無い」
と叫びます。
「え!?ホントですか!」
と確認する私の声もかなり大きかった筈です。
「スープ作るのに20分くらいかかるから。でも、一杯分はあるよ」
と聞き、他のお客さんに先を越される前にと、かなり前のめりに醤油ラーメンを発注します。まだホッピーがあるにも関わらず、です。
程なく出てきた醤油ラーメンは昔ながらの懐かしいビジュアル。
屋台を営業していた時から変わらないのでしょう。
チャーシュー、シナチク、わかめ、ナルト、海苔、三つ葉。
シンプルかつ必要十分なトッピングです。
ラーメンに入れようと温存しておいたサービスの茹で玉子もオンします。
まずは、スープを一口。
アルコールを中和する優しい醤油味。
濃口醤油で色は黒っぽいですが、程よい濃さとあっさりさを併せ持つ、酔客の好みをわきまえた味です。
細めの縮れ麺はスープとの絡みも良好。
チャーシューは小振りながらも、しっかりとした味付け。
わかめとも一緒に啜れば、いかにも「中華ソバ」らしい。
茹で玉子も箸を割り入れ、そのままフィニッシュです。
締めラーメンまで食べてセンベロのお会計。
次回は一軒目に来てみたいと思います。