大好きなお気に入りの割烹「酒処 はづき」で鮭塩焼き定食を食べた流れで、同じビルの一階にある昭和レトロ喫茶「ヘッケルン」へ。
再開発が急ピッチで進む虎ノ門の路地裏にひっそりと佇む昭和レトロ喫茶。
テント看板にも、入口のサインにもプリンの文字。
古い木製のドアを開けると、いつもと変わらず元気なマスター。
ご高齢なので、新型コロナウイルス感染が心配でしたが、一安心。
オーダーはもちろんジャンボプリンセット。
今日はアイスコーヒーにしました。
いつも動画を撮りたいと思いながら、あまりの早業で撮影不能な「戦隊シリーズの変身アクション」もどきの手技により、カップから鮮やかにジャンボプリンが器にひっくり返されました。
追いかけるようにアイスコーヒーもサーブ。
実に美しく、美味しそうなジャンボプリン。
いや、美味しいことはわかっています。
たまご好きの私は、当然ながらプリンも大好き。
いつもたまごに「箸入れの儀」を行うように、プリンに「スプーン入れの儀」。
大胆に、カットします。
断面を流れ落ちる、自家製カラメルソース。
秘伝のタマネギ入りのカラメルソースも、マスター自慢のジャンボプリンの重要な構成要素。
残さずにきれいに頂きました。
コーヒーを飲んでいると、
「タバコ吸ってもいいですか?」
というテーブル席のOLさんたちの問いかけから、店内が盛り上がります。
「3本までなんですよね?」
「おう、良いよ。ジャンジャン吸って。その代わり4本目から1本1万円だよ!」
店内は見知らぬお客さんも皆大爆笑。
カウンターのご常連紳士が
「この店は4月から禁煙にならないの?」
と尋ねます。
「うちは家族経営で、面積も狭いから条例にひっかからないんだよ。ジャンジャン吸ってよ」
とボルテージも上がります。
「そしたら、俺、プリン屋やめてそれで商売するよ。一本一万円、全部もうけだもん。プリン売るより儲かるよ」
とマスター。
いつの間にプリン屋になったのか、それとももともとプリン屋だったのか。
あまりにも面白いマスターの切り替えしに、私も思わず吹き出しました
もちろん冗談ですが、この軽妙な受け答えと明るい人柄、そして美味しいプリンとコーヒーに魅かれて、今日も客足が絶えないのです。