転勤以来4度目となる焼肉政ちゃん。
飲み友達のKさんがこちらのご常連とあって、私は幸いにも食べに来れますが、予約が取れるようになるまで5年は通わないと認めてもらえないという特異な店。
今日は同僚のM部長、Y君、そして別部署のK君というメンバー。
Kさんとは現地集合です。
地下鉄四つ橋線花園町駅で下車し、ディープ西成の鶴見橋商店街を西に歩きます。
昭和にタイムスリップしたレトロ商店街。
今どき大衆演劇の小屋があるのも、この町ならでは。
西に向かうに連れ、人通りは更に少なくなります。
大阪の下町商店街でよく見かける力餅。
1キロ強のアーケードの西端、阪神高速堺線の津守出入口のそば。
精肉店と大衆食堂の間の狭い通路の奥にその伝説の焼肉屋があります。
焼肉政ちゃん。
厨房まで回りこんで無理矢理座って10人がやっとという狭い店。
まずはビールで乾杯です。
脂の滲み付いた合板の壁。
こんな茶目っ気のあるメニューは常連さんから。
「お前ら初めてか?今日は9時からの客もおるからさっさと食えよ!」
ネイチャージモンでも紹介された政ちゃんの強烈なキャラクターに、初めての同僚たちは戸惑っています。
私も初めての時はかなり驚きました。
まずはナマモノから。
生タン。
すりゴマとゴマ油の風味が肉の味を引き立てます。
これは重ねられた上から順番に食べないと、政ちゃんに怒られます。
スパークリングワイン。
この店はビールと瓶酎ハイ以外は全て持ち込み。
このワイングラスもKさんがお店に置いてあるキープグラス。
いつも段取りを整えてくれるKさんに感謝。
生ハツ。
牛ホルモンは鮮度と熟成のバランスが大事。
かつて食肉業に携わっていた肉を知り尽くした政ちゃんだからこそできる技。
生センマイ。
今日は量が少ないそうで、これを6人で分けました。
苦味やエグミも無く、柔らかいのでポン酢で食べて素材の良さが味わえます。
同僚たちも既に降参、といった体。
「うまいやろ!八尾の旭ポン酢やで!」
このギャグは大阪の人にしかわからないでしょうが。
キムチを盛り付けるKさん。
政ちゃんの全幅の信頼を得ている彼だからこそ許される荒業です。
焼き物に移ります。
ミノサンドと呼ばれる、ミノの中でもごくわずかしか取れない希少部位。
政ちゃんは焼き方にはとても厳しいのです。
Kさんは見事にコンロの火に沿って肉を置き、火力の違いを見極めながら焼け具合を監視しています。
隣のグループは置き方でも注意され、さらには焦がしてしまってまた怒られています。
とはいえ、それは肉を愛するが故のこと。
赤ワインに切り替えです。
このグラスは割れないので安心。
そろそろ食べごろです。
これくらいがベスト。
そこらのミノとはものが違うので、すごく柔らかいんです。
「今日はええのがあんねん」
と政ちゃんが冷蔵庫から出してきたのはツラ。
政ちゃんの腕にかかれば、どんな肉もその味と食感を引き出すように切り分けられます。
撮影・掲載許可済み |
このまま食べたいくらい。
Kさんが絶妙のコントロールで焼いていきます。
というのが政ちゃんの信条。
片面を焼き、肉汁が浮いてきたらひっくり返してその旨味を抑え込んで、15秒。
何回もひっくり返したり、六面焼きをしたり、いわんや焦がそうものなら容赦なく
「こら!何やっとんねん」
と声が飛んできます。
旨いっ!
私の隣ではKさんのお友達で政ちゃんお気に入りの紅一点、Jちゃんが他のお客さんの氷まで用意しています。
私は見慣れた光景ですが、同僚たちは目を丸くしています。
続いてハツ。
私の大好物でもあります。
プリプリとした食感が堪りません。
キムチと一緒に。
タンツラ。
タンモトとも呼ばれるタンの付け根の部分。
通常のタンとは脂の入り方が違うので、より柔らかく食味食感とも別の部位のようです。
ここでタンをもう一度。
私はかなりレアで頂きました。
いよいよ真打ち登場。
絶品の塩ハラミ。
これはたまらんなぁ~。
東京ではギアラと呼ばれていますが、置いている店は少ないと思います。
第四胃にあたりますが、牛の本当の胃はこれだけで、後は全て食道が進化したと言われています。
これほど見事なアカセンはなかなか見かけません。
厚みのあるところが旨味が多いのです。
Kさんが調合してくれたすりゴマ入りのタレで。
レバ。
私が初めて政ちゃんに来た時は、法改正前でまだ生食が許された時代。
絶品の生レバに驚きました。
もちろん今はそういうわけにはいきませんが、激レアで。
いよいよ締め。
タレハラミです。
私の同僚たちともじゃれ合っています。
撮影・掲載許可済み |
タレハラミが焼けたら、それを再度タレにつけ、ご飯にのせます。
そこにさらにタレをかけ回して頂きます。
贅沢なタレハラミ丼。
キムチも合体させて。
もちろん勝手に冷蔵庫から出して。
伝法な口を利く強面の政ちゃん、といったイメージがあるようですが、実はとても優しい方。
トイレで一緒になった時も、帰り際も、二人きりになると
「ごめんな、本気で言うてんのとちゃうねんで。気にせんといてな」
と真顔で謝ります。
わかってますよ、政ちゃん。
自分が愛してやまない肉を、最高に美味しく食べてもらいたい一心ですよね。
本当にごちそうさまでした。
撮影・掲載許可済み |
花園町駅から地下鉄を乗り継いて南森町に帰ってきました。
今日はちょっと仕上げて帰りたい気分。
いつもの止まり木ホワイトラベルでゆっくりとハイボールを舐めます。
楽しい時間はあっという間に流れていきます。
明日は少し涼しいだろうという予報。
今夜も寝落ちかな、と思いながら0時前に腰を上げました。
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