冷たい強風にペダルも思うように回りません。
ウインドサーフィンを楽しむ人には、この強風は恵みなのでしょうが、サイクリストには無情の風。
いつもならここまで走ってくると身体が温まって心地良いのですが、今日は寒くて長居もできません。
再び強風に悩まされながら来た道を戻ります。
ご褒美ランチを食べるため、途中で花見川の住宅街に入り、目指すお店へ。
自転車を止めて順番を待ちます。
大島屋。
蕎麦屋ですが、丼もの、特にカツ丼が評判で遠方からもお客さんが絶えない人気の行列店。
13時を回っていましたが、私の順番は三組目。
店先の大きな龜にはメダカ。
なんだか、懐かしく、可愛い。
案内されたのは20分後。
熱いお茶がありがたい。
14時で中休み。
私はお昼の部の最後のお客となりました。
もちろん注文は決めてきました。
年に一度のカツ丼ブームを締めくくるに相応しいお店です。
しかし、手打そばも食べないわけにはいきません。
今日は自転車だから少しくらいのカロリーオーバーはよかろうと自分に優しい判断。
カツ丼とかけそばを頼みました。
残念ながら上カツ丼は売り切れ。
出てくるまで10分ちょっと。
分厚いカツを揚げるのに時間がかかるのでしょう。
迫力満点のカツ丼。
味噌汁は塗りではなく、焼き物の椀で。
店先にも焼き物が飾ってあったので、もしかしたらご主人の趣味なのかもしれません。
白菜のお新香。
もう14時前という遅いランチ。
粗目の溶き加減だからこその、この綴じ玉子の感じが私好み。
豚肉は絶妙の揚げ加減。
固くなる手前の微妙なピンク色。
脂身もしっかりあって、それをサクサクの衣が包み込んでいます。
濃い目のつゆ、玉子の絡み具合、いずれもいいバランスです。
カツ丼の並に1,300円というのは贅沢なお値段ですが、その価値のある評判通りの旨さ。
そこへかけそばも到着。
シンプルなプレゼンス。
細い手打蕎麦が美しい。
柚子の黄色がアクセント。
こんなにデフォルトが多いとは思わなかったのです。
果たして食べ切れるでしょうか。
巨大な丼が私の目の前に二つ。
これはかなり気合が必要です。
薬味の葱と七味を振ってから、つゆをひと口。
濃い目のしっかりした出汁は、いかにも関東の蕎麦つゆらしい。
早速蕎麦を手繰ります。
想像通り、繊細ながらも風味豊かな蕎麦。
しかし蕎麦にうつつを抜かしている場合ではありません。
カツ丼はまだ半分以上残っています。
家族経営のアットホームなお店。
奥さんはお客さんの顔をよく覚えていて、久しぶりに来た二回目の方でも記憶があるようです。
他のお客さんとの会話から、今日の豚肉は熊本産だと知りました。
お肉屋さんから時々の良いものを仕入れているそうで、千葉産のマーガレットポークだったり、運が良ければ茨城県産の梅山豚(メイシャントン)にも巡り会えるとか。
売り切れだった上カツ丼を食べてみたかった、とちょっと残念。
もうここまでで、お腹一杯です。
お蕎麦とカツは食べ切りましたが、不本意ながらご飯は少し残してしまいました。
ごめんなさい。
赤ちゃん連れのご夫婦から赤ん坊を預かって抱っこするお母さんから、私も話しかけられました。
「お客さんは初めてですよね。どちらからいらっしゃったんですか?」
もちろん私のいでたちを見て、自転車で来たことはわかっています。
「佐倉からです。検見川浜まで走って、帰り道なんです」
「そうなんですか。今日は風が強いから大変ですよね」
と話を繋いでくれます。
「ちょっと多かったんじゃないですか?」
「ええ、頼み過ぎました。でも美味しかったです」
お会計を済ませ店を後にします。
「気をつけて帰ってくださいね」
と、優しいお母さんの声に見送られ、美味しい料理以上のものを頂きました。
ごちそうさまでした。
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