江戸川区の駅から遠い名酒場を巡っています。
この日は最寄りの新小岩駅からでも徒歩30分という、文句なしの「駅遠物件」。
もちろん歩いていくといつ酒が飲めるかわからないので、新小岩駅前から都バスに揺られること10分。
細い路地の奥に看板の明かりが見えます。
夜なので少しわかりにくいですが、この外観が飲兵衛を惹きつけてやみません。
大衆酒場「中村屋」。
コロナ禍を挟んで、ようやく来れました。
暖簾を潜って店内へ。
初めての店は、いつも緊張しますが「虎穴に入らずんば虎子を得ず」というのが私の座右の銘。
でなければ、下町酒場巡りはできません。
ご多聞に漏れず、下町の大衆酒場にも複数のアルコール消毒液が置かれる令和の世。
アルコールはハイボールを頼みます。
この店のハイボールは、言わずもがなの下町ハイボール。
この店のハイボールは、言わずもがなの下町ハイボール。
炭酸はドリンクニッポンという王道の組み合わせ。
山芋の強い粘りに、厨房のお母さんの仕事ぶりが伺えます。
いつもの人間観察を酒のつまみに、いつしか下町ハイボールは二杯目。
コロナ禍明けの鬱憤晴らしで、大いに盛り上がっています。
コロナ禍明けの鬱憤晴らしで、大いに盛り上がっています。
やっぱり大衆酒場には黙食よりも胴間声が似つかわしい。
駅から遠いということは、地元の人にとっては選択肢が限られるので、必然的に足繁く通うことになるのでしょう。
駅から遠いということは、地元の人にとっては選択肢が限られるので、必然的に足繁く通うことになるのでしょう。
お店の方も含めて、家族のような雰囲気ですが、だからといって一人で飲みに来た一見の私が疎外感を感じることはありません。
店の中が、あったかいのです。
ホール係のお姉さんにたまご焼を頼みました。
無類のたまご好きの私は、この店の名物で締めようと決めていたのです。
「たまご焼は私が焼くんだけど、甘いの。大丈夫?ネギとか入れられるけど」
と下町のお姉さんらしい傳法な物言いですが、それは優しさの現れ。彼女自慢のたまご焼を美味しく食べて欲しいという思いからだと受け止めました。
「何も入れないで作ってくれる?」
「何も入れないで作ってくれる?」
たまごは4個くらい使っていそうです。
フライパンで焼いたのか、半月型。
うねりのある巻き加減や、砂糖のせいか濃い目の焦げ色がなんとも家庭的でもあり、下町酒場らしいワイルドさもあります。
大阪育ちの私も、今は甘い玉子焼きにもすっかり馴染みました。
半熟ではなく、ギリ固めというのも絶妙な焼き加減。
半熟ではなく、ギリ固めというのも絶妙な焼き加減。
たまご好きの私には、このジャンボサイズも造作ありません。
「旨いなぁ、これ」
と心の中で呟きながらモリモリと食べていると
「どう?美味しい?」
と彼女が聞いてきます。
自信満々なようで、実は気になるのでしょう。
「うん、すごく美味しいよ」
と、私も傳法に返してみました。
ニッコリとほほ笑んだ下町お姉さんの笑顔が素敵です。
最初は空いていましたが、20時を回ってどんどんお客さんが増えてきました。
賑やかな酒場で下町ハイボールと甘~いたまご焼を食べて1時間ちょっとの酒場探訪。
いい時間を貰いました。
お会計に手間取るのを読み切れなかった私のミスで、近くのバス停から出る帰りのバスに乗り遅れ、別のバス停まで徒歩10分の食後の散歩となりました。
「江戸川区 駅から遠い名酒場」探訪企画は、もう一軒「六兵衛」がブックマークされているのですが、コロナ禍のせいなのか長期休業となっているため、しばらくはお休みです。
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