今日は人間ドックでした。
昨日の21時で食事もアルコールも絶ち、朝から腹ペコです。
検査が終わって、11時前に解放されました。
病院があるのは駿河台。
「野に放たれたトラ」と化した私は、この界隈に犇めくカレーの名店の中からチョイスして人間ドックのラマダン明けのランチを食べることにします。
向かったのは、駿河台下の「キッチン南海」。
開店15分前の11時にお店に到着すると、すでに20人ほど並んでいます。
一回転目に入れなかったのは織り込み済み。
二回転目を待つ我々に向けて、ホール係の女性が注文を聞いて回ります。
私は名物のカツカレーに生卵トッピングをオーダーします。
注文を聞いた女性は、今時珍しいプラスチックの食券プレートを箱に仕分けて入れていきます。狭い混雑店の複雑な注文を効率的にこなす、まさにノウハウ。
一回転目で黙々と食事を摂取するお客は男性ばかりですが、私の後ろには女性お一人様もちらほら。
巨大な黒い湖に浮かぶ島のようなビジュアル。
私の順番もようやく回ってきました。
並び始めて30分で入店です。
着席して、卓上に置かれたメニューを眺めながら、
「これを見て注文する人がいるのだろうか」
とボンヤリ考えているうちに、トッピングの生卵がカウンターに置かれます。
程なくお待ちかねのカツカレーも出て来ました。
その黒い海に生卵をドロップイン。
更に揚げたてのカツにスプーンを入れます。
カレーの色は真っ黒ですが、辛くはなく、むしろ甘さすら感じます。
カレーと言うよりは、ドミグラスかグレイビーソースと思うような個性的なルー。10種類ほどのスパイスと小麦粉を焦げ目が付くまでじっくりとローストして、それを豚コマ肉とタマネギとともに、寸胴鍋で煮ては冷ますという工程を、肉やタマネギの形がなくなるまで3度繰り返すといいますから、相当手間がかかっています。
揚げ立てのサクサクのカツとの相性も抜群です。
生卵にスプーンを入れで攪拌します。
カレーとタマゴは完璧なマリアージュ。
そこに揚げたてのカツとくれば、各方面から賛同を得ようというものです。
カツの下にはどっさりとキャベツ。
卓上のドレッシングに手を伸ばし、更に福神漬けもしっかりのせてから本格的に食べ始めます。
黒海のようなルーと生卵、とんかつ、キャベツ、福神漬けと、さながら洋食曼陀羅のようです。
ソースに絡めつつ食べ進みますが、見た目以上に意外と量があります。
あと少しというところで腹パン。
「追い福神漬け」の力を借りて、なんとか寄り切りました。
同じ神保町の神田すずらん通りにあった本店は、コロナ禍の2020年6月、建物の老朽化のために54年間という長い歴史に幕を下ろしましたが、そのほぼ1カ月後に、のれん分けの独立店としてこちらがオープンしました。
店を仕切るのは20年以上本店の料理長を務めたオーナシェフ。
叔父にあたる創業者と共に築き上げた往時の本店の味をそのまま味わうことができるので、ファンも足繁く通い続けるのだろうと実感しました。
キッチン南海 神保町店 (洋食 / 神保町駅、新御茶ノ水駅、小川町駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.6
0 件のコメント:
コメントを投稿