「天満の双龍居の料理長が出した店らしいです」
それなら期待が出来そうです。
私の徒歩通勤路からも近いので、外観だけはすぐにチェックしに行きましたが、調査は延び延びになっていました。
部の忘年会を来月することになったので、その候補に良いかもしれないと思い、晩ご飯がてらようやく調査に訪れました。
本格中華料理萬春。
場所は曽根崎。
梅新の東側にあたり、ラブホテルや風俗の無料案内所が林立するいかがわしいエリア。
曽根崎警察から客引き防止の日本語と中国語と韓国語のアナウンスが流れています。
「このロケーションはちょっとしんどいよなぁ」
B級グルメの私は全く気にしませんが、女性はかなり勇気がいるかもしれません。
以前この近くの阪急東通商店街にラーメン一蘭がオープンした時も同様の印象を持ちましたが、大阪の人は気にしないのでしょうか。
そういえば、阪急東通商店街も若い女性が平気で歩いていたので、東京よりも免疫度が高いのかも。
店の前には夕食セットのメニューが掲げられています。
裏を見るとランチの定食。
四川風マーボ豆腐が驚きのワンコインです。
店内は掘り炬燵席ばかり。
元は何屋だったのか不明ですが、居酒屋とみて間違いありません。
さきほどのランチメニューが店内にもありました。
「ライスのお代わり無料(一回のみ) 追加は100円」
とあります。
これは三杯目以降は100円必要という意味でしょうか。
難度の高い日本語です。
双龍居でもおなじみの豊富な写真入りメニュー。
こちらが夕食セットのメニュー。
実は、これは生ビールが一杯込みの値段。
それを知った私はかなり驚きました。
今日の調査の重要な目的である、宴会の内容について店員さんに訪ねます。
どうやら若い彼だけがなんとか日本語が話せるようです。
オススメは飲み放題付で3,980円のコース。
なんと全18品。
またまた驚きました。
メニューには名物の麻婆豆腐が+300円と書いてありますが、お兄さんによれば、今は青梗菜炒めではなく麻婆豆腐に変わっているので、追加しなくても麻婆豆腐が含まれているそうです。
それが理解できるまで5分ほどかかりました。
飲み放題のメニューも豊富です。
二時間グラス交換制。
ここにも細かい決まりがありました。
夕食セットはマーボ―豆腐セットか天津飯セットか餃子セットか散々迷った挙句、ワンタンスープとマーボー丼に落ち着きました。
メニューを決めるためにお兄さんに単品餃子についてあれこれ質問していると、
「セットにギョウザがついてきます」
というので
「だったら餃子セットは餃子の数が多いの?」
と聞くと
「ギョウザセットのギョウザはおおきい。ふつうのギョウザはちいさい」
と言うのです。
どうやら餃子セットの餃子はあの双龍居のようなジャンボ餃子らしく、普通の餃子は鉄鍋餃子で、しかもセットにはついていないということが、やはり5分後に判明しました。
そこで単品で鉄鍋焼き餃子を頼み、セットに付いてくる生ビールだけ先に出してもらって、ワンタンスープとマーボー丼は後で出してもらうようにお願いしました。
「ギョウザはじかんかかります。マーボーはすぐできます」
「いや、それはわかってるんだけど、餃子を食べ終わったところで僕が声をかけるから、それから作ってくれますか?」
それほど難しい注文ではないと思ったのですが、お兄さんは厨房に中国語で確認を入れたりとなかなか大変そう。
これにも3分ほど時間を要しました。
ようやく生ビールにありつきました。
中ジョッキよりは一回り小さいジョッキ。
「そりゃそうだよな」
と心の中でつぶやきました。
辣油が見当たらないので尋ねると
「ギョウザにかかってます」
とのこと。
あ、そうなんだ。
皮の焦げ目はカリッとしていますが、全体的にはモッチリした印象。
なぜかあまり熱くなかったのはちょっと残念でした。
餃子を食べ終わったところで私も混乱してきました。
「すいません、私って何を頼みましたっけ?」
「 ワンタンスープとマーボードンセットです」
「あ、それを今からマーボ―豆腐セットにしてもいいですか?」
これから作るのだから大丈夫だろうと思っていた私。
お兄さんは再び中国語で厨房に確認します。
「すいません、ワンタンつくっちゃいました」
「あ、そうですか。じゃあそれでいいです」
ところが一向に厨房から鍋の音が聞こえて来ません。
すぐ出来ると聞いていたのにどうしたのかな、と思っていたらしばらくして
「つくってもいいですか?」
と聞かれました。
さっきお願いしたはずなのに、ちょっとびっくり。
私の日本語のニュアンスがうまく伝わっていなかったのでしょう。
もっと丁寧に言うべきだったと、反省。
出て来たワンタンスープとマーボー丼を見てまたびっくり。
そのボリュームもさることながら、どう見ても丼に見えないからです。
ちょっと掬ってみましたが、マーボーのみ。
「すいません、これマーボー丼ですか?」
「はい、そうです!」
とお兄さんはにこやかに答えます。
そしてそのマーボーとタメを張る大きさのワンタンスープ。
メニューにはつけもの三種と書いてありましたが、どう見てもつけものは一種類。
でも私はつけものが三種類あるよりも、サラダと豆腐の方が身体にいいので問題はありません。
ワンタンスープを一口。
大ぶりのワンタンの皮はモチモチ。
餡もたっぷり、醤油ベースの中華スープも美味。
さて、問題のマーボー丼。
心配になったのでかなり底からかき回したところ、ご飯が出て来ました。
ひと安心です。
ラー油と山椒の効いたあの双龍居の味。
でも、少し辛さはマイルドで、あの辛さを期待していた私にはちょっと物足りませんでした。
ワンタンスープは食べ進むうちに、実はかなりのワンタンが入っていたことが判明。
これはある意味お得です。
もう一杯飲もうかな、と思ってメニューを眺めました。
でも、アテが無い事に気が付き注文はしませんでした。
マーボー丼は食べても食べてもご飯が湧いてくる感じ。
小食の人なら食べきれないかもしれません。
もちろん私は完食です。
「サービスのウーロンチャです」
と嬉しそうにお兄さんが持って来ました。
いや、これをサービスと言われても、と思いましたが
思わず
「ありがとう」
と言っていました。
全体的に味が少し違う気がしたのは、もしかしたら食材の質によるものかもしれません。
双龍居のあの繁昌ぶりからすれば、相当の仕入れ量と鮮度だと思われますが、それをこの小さな町の中華料理屋さんに求めるのはかなり無理があります。
だからといって、決して悪い訳では無く、味の水準は高く、特に値段とのバランスで言えばかなり良いと思いました。
コミュニケーションに難がありましたが、中国に旅行して日本語が通じる店だと思えばこんなもの。
しかし、いかんせんこの曽根崎の雰囲気と、店内の場末感は双龍居と比べるとかなりの格落ちは否めません。
18時半から食べ始めて一時間、とうとう誰も来なかったのが最大の心配事でした。
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萬春中華料理
/ 東梅田駅< /a>、梅田駅(阪神)& lt;/a>、北新地駅< /a>)
夜総合点★★★☆☆ 3.3
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