その頃のお友だちタナさんがお仕事で来阪されるとメールを頂きました。
食べログ時代は、私と同じ千葉県在住ということで、参考になるお店のレビューにお互いにコメントし合ったりしていましたが、実はお会いするのは初めて。
フェイズブックでも繋がっていたので、なんとなく実際に会ったことがあるような気になっていました。
投宿されている梅田のホテルにお迎えにあがり、一緒に地下街ホワイティ梅田へ。
ところがなぜかシャッターが降りています。
日頃天満で飲んでいるので、ホワイティ梅田の定休日が木曜日だという事を知りませんでした。
お連れしようと思った串かつのヨネヤもお休み。
方針を変更し居酒屋が好きなタナさんが気に入りそうな大阪らしい場所へお連れすることにしました。
タナさんは香川県の出身。
全国を転勤で渡り歩いて来られましたが、大阪はほとんどご存知ありません。
新梅田食道街。
小さな飲食店が迷路のような狭い通りに面して並んでいます。
「有楽町のガード下か、ニュー新橋ビルのようですね」
「ええ。でもここは天井が低いので、独特の雰囲気がありますよね」
東京から客人が来ると、時々ご案内するたこ梅にしました。
新梅田食道街には二店舗がありますが、少し狭い北店の暖簾をくぐりました。
先客に詰めていただいて、二席確保。
卓上の籠には箸置き。
とりあえず生ビールで乾杯です。
名物のたこ甘露煮はマストアイテム。
メニューから品定め。
できるだけ東京にはないものを頼むことにしました。
おでん鍋はグツグツと沸騰し、出汁が煮詰まって濁っています。
これがたこ梅流。
大阪らしい鯨すじとひろうす。
東京で言えばがんもどきです。
もっちりとした鯨すじの食感に、タナさんも感動です。
飲み物を切り替えます。
タナさんは目の前の籐巻タンポが気になって熱燗を頼みました。
錫のコップで。
私は芋焼酎のロック。
野菜ふくろとじゃがいも。
かぼちゃや人参、しいたけなど色々入っているのがユニーク。
じゃがいもはホッコリ、モッチリとしていました。
おでんやお酒を頼む度に色のついた札が目の前に積まれていきます。
麻雀の点棒スタイル。
今月の季節ものからいわし団子。
しっかりと味が滲みていました。
一方で、注文してから入れるタネもあります。
わかめとしいたけです。
季節のタネのしいたけは、たっぷりと出汁を吸いこんでいるので、口中にじわっと旨味が広がります。
エンジンも暖まりました。
タナさんは飲み始めるとあまり召し上がりません。
同じ新梅田食道街にある、やはり大阪らしいバーに河岸を変えることにしました。
階段を上がって、更に天井が低い二階の梅田サンボアへ。
大阪のバー業界では超有名なサンボアグループのお店。
ドアを開けた途端、タナさんは気に入ったようです。
もちろんオーダーは名物のハイボール。
グラスもウイスキーも炭酸も冷やしてあるので、氷なし。
これがサンボアスタイルです。
柔和で人当たりが良く、いつも笑顔の名物バーテンダー。
キタのサンボアから通算30年、梅田店では18年のベテランは75歳。
そうは見えない若々しさ。
「人生まだまだ半分ですね~」
と軽口を飛ばすのは、いかにも浪速のバーテンダー。
この狭いカウンターの中から、酔客たちの悲喜こもごもを温かい眼差しで見守って来たのです。
撮影・掲載許可済み |
立ち飲みで二杯。
今度は少し落ち着いた渋い店にお連れすることにしました。
梅田の東、再開発が予定されテナントも全て引っ越したOSMビルに一軒だけポツンと残る店。
サントリーバーおくだ。
大きな馬蹄型の見事なカウンター。
これがそっくり入る店が見つからないので立ち退けないのです。
何とも歴史を感じる雰囲気。
私の年代には堪らない店です。
この店ではジンソニックが定番。
ジントニックのアレンジカクテルとして誕生したと考えられています。
トニックウォーター独特の甘みを嫌って、ソーダをまぜることで辛口に仕上げた飲み物。
今日三度目の乾杯です。
そして、やはり定番のおつまみ、コンビーフ。
トーストもつけてもらいます。
コンビーフにはマスタードとマヨネーズ、そしてポテサラ。
男子の夢が詰まったプレートです。
これをパンにのせて。
コンビーフを思いっきり丸齧りしたいという、「傷だらけの天使」世代の私には堪らないアテ。
初めてとは思えないほど意気投合し、仕事からプライベートまで話は尽きません。
やっぱり飲食の嗜好が近いというのは、人間関係で大事なことだなぁ、と改めて実感しました。
明日のお仕事に差し支えるといけないので、このあたりでお開き。
私の自宅の帰り道にあるタナさんのホテルまでご一緒し、東京での再会を約して別れました。
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