不定期に開催しているT先輩を囲む会。
多忙な先輩のスケジュールを貰うのはなかなか困難で、今回も企画から2か月以上先の日となりました。
約束した時はまだ夏真っ盛りでしたが、もうコートが必要な季節。
集合場所はいつものお店「銀座 長寿庵」。
我々が若い頃から、よく集まって飲んだ懐かしい蕎麦屋です。
二階の奥、というこれまた決まりのテーブルがリザーブされていました。
私は黒ホッピーでスタート。
突き出しはほうれん草の胡麻和え。
I君は仕事で遅れるというので、3人で乾杯です。
T先輩と紅一点Kさん、そして私。
ホール係のお嬢さんにも顔が知られたT先輩。
昔からお店の女性に好かれる特殊能力があるのです。
メニューも見ずに、マシンガンのようにオーダーを告げます。
立て板に水、とはこの事。
ちくわ、板わさ、冷やしトマト。
「トマトは塩なんだよ」
といつものセリフ。
更に、炙りしめ鯖と黄金たもぎだけの天ぷら、タコの天ぷらと続きます。
全くメニューを見ないで、毎回同じものを頼めるのも先輩の特殊能力です。
たもぎだけの天ぷらは、「幻の食材」という形容詞付き。
私もこの店の料理の好きなものの一つです。
焼鳥は、蕎麦屋らしい「串なし」のもの。
一切れ一切れが大きくて食べ応えあり。
黒ホッピーのピッチも上がります。
たちまちナカをお代わり。
遅れていたI君も到着し、改めて乾杯。
昔話から、お互いの近況まで、話題は尽きません。
みんな大好きなかつ煮も、蕎麦屋飲みのマストアイテム。
特にここのかつ煮は最高のつまみです。
イカとマグロの刺身。
T先輩といえば、イカ。
「最近、エビも俺の中では急上昇中なんだよ」
と言いますが、やはりイカに勝るものはないようです。
わざわざ私が撮影しやすいように器を八百屋に構えてくれるのも感謝。
見た目はいかついのですが、実に優しい先輩なのです。
私はホッピーからそば焼酎の蕎麦湯割りに切り替えます。
そろそろ温かいお酒が恋しい季節。
長寿庵と言えば、鴨せいろ。
締めはもちろんこれを置いて他にはありません。
卓上のすりごまをたっぷり入れるのがセオリー。
更に七味も振って。
蕎麦も鴨のつけ汁も、なにもかも旨いのです。
東京に転勤してきた時に初めて食べてから、かれこれ35年。
大きな鴨肉もゴロゴロ。
その旨味も出汁に出ています。
そんなつけ汁は、もちろん蕎麦湯で締めないと勿体ない。
旨いつまみと旨い酒。
お腹は一杯ですが、話は尽きません。
もちろん二軒目は、この会恒例のあの店です。
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