転勤が決まってどうしても訪れたい思い出のランチ店を巡っています。
ここもその一つ。
築地本願寺裏の路地を入った所にある鰻の丸静。
初めて先輩に連れてこられたのは今から25年近く前。
「ニーゴー」とかいう符牒で注文するのが不思議でしたが、それはどうやら2,500円の鰻重を指す、と後でわかります。
会社が新橋に引っ越してからしばらく足が遠のいていましたが、久しぶりに前の職場の同僚Y部長とO君の三人で訪れました。
かなり並ぶから、と早めに出発し11時45分に着いたのですが行列はなくちょっと拍子抜け。
テーブル席は一杯でしたがカウンター席が空いていました。
私の注文は「臣(おみ)」。
2,800円です。
昔は2,500円だったんじゃないかな。
献立表には値上げの後が・・・。
尊(みこと)
臣(おみ)
連(むらじ)
値段が高いほど鰻の量が変わりますが、肝吸い、お新香付きは共通です。
これをご主人が蒸し器に入れてしっかりと蒸し、それからタレに付けて焼くという手順。
焼き上がるまでおよそ40分。
この間の間を持たせるために昔はよくビールを飲み、つまみを頼んだものです。
この日はビールは頼みませんでしたが、大将は何度も聞いたいつもの口上を語り始めました。
「鰻は関西は腹開きで蒸さない」に始まり「生家が由緒あるお屋敷だった」など江戸っ子ネタは尽きません。
何回も聞いていて覚えているものの、ここは「へえ〜、そうなんですか?」と驚きつつ相槌を打つのが正しい作法。
そうすれば大将は益々興が乗って饒舌になること請け合いです。
きっと40分も待った、とは思わないことでっしょう。
そういう意味ではカウンター席はいいのです。
この日は一つだけ聞いたことがない話がありました。
大将が高校時代野球選手だったということです。
そして試合で成績が悪いと母親にえらく怒られたとか。
そのお母さんはご健在で奥の厨房に小さな姿が見えました。
焼き上がる頃合いを見計らってまずは肝吸いとお新香が出てきます。
端からジワジワと攻め、バランスよくいただきます。
ふー、すっかりお腹一杯。
大満足のランチとなり、3人でブラブラと新橋の会社へと歩いて戻りました。
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