一杯飲みたい気分ですが、お気に入りの下町居酒屋に繰り出すには出遅れ。
そこで、炭水化物でストレス発散するという下町居酒屋とは異なるアプローチのプレミアムフライデーにしてみることにしました。
もっともプレミアムフライデーの時間はとっくに過ぎているのですが。
向かったのは閉店間際のスタンド洋食むさしや。
オヤジビルとも呼ばれる新橋駅前のニュー新橋ビルの一階にある、人気のスタンド洋食店。
20時前だというのに行列です。
男子が大好きな4大メニューがイチ押しという、素晴らしいお店。
とはいえ、それ以外にも甲乙つけがたいラインナップがあります。
行列に並びながら、心は千々に乱れます。
悩んだ挙句に注文したハンバーグカレーはなんとハンバーグが売り切れ。
まさかの展開に動揺しますが、なんとか体勢を立て直して注文したのは類似品のカレースパゲティの目玉焼きトッピング。
しかし、私の行列の後ろに並ぶ人が皆ナポリタンやオムライスにミニハンバーグのトッピングを頼み、それが通っています。
どうやら、ハンバーグはミニならある模様。
もう作り始めているかもしれないので、私は慌ててミニハンバーグのトッピングを追加注文しました。
間に合ったようですが、ぐったり疲れました。
10分ちょっと並んでカウンターへ。
すかさず味噌汁が出てきます。
キャッシュ・オン・デリバリーなので、お会計はこの段階で済ませておきます。
スパゲティを頼んだ人にだけ許されるパルメザンチーズ。
自慢したいぐらい誇らしく感じます。
着席して1分ほどで料理が出てきます。
事前に注文を取ったお客さんがいつ頃着席できるかを逆算して料理を仕上げるという「匠の技」は、世界に冠たるトヨタのカンバンシステムやセブンイレブンのPOSシステムを遥かに凌駕する驚くべきむさしやの叡智。
カレースパゲティに目玉焼きとミニハンバーグトッピング。
仕込み済みの食材が多いとはいえ、まるでマジック。
ミニとはいえ、それなりのボリューム。
あわや食べそびれたかもしれないレアなアイテムです。
もちろんドミグラスソースがたっぷりとかかっています。
目玉焼きは見事な半熟。
たまごには煩い私も納得の仕上がりですが、これらが全てジャストインタイムで出来ることが、まさに驚きです。
まずはスパゲティから。
さほど辛くはない業務店らしいカレーの味ですが、誰が考えたのかカレーとスパゲティの相性は抜群で、非の打ち所はありません。
ミニとはいえ、それなりの大きさのハンバーグ。
ミッシリとした質感とドミグラスソースの甘さが実に旨い。
神聖な気持ちで、見事な半熟目玉焼きにもフォークを入れます。
素晴らしい流出。
カレーとたまごは誰も否定できない完璧な組み合わせ。
半熟の卵黄にカレースパゲティを絡めて食べれば至福の瞬間。
イタリア人もインド人も味わえない最高の贅沢を、新橋サラリーマンが味わえるのです。
デミグラスソースとカレールーが曖昧な国境を作っています。
このファジーな感じが、昨今の国際情勢を物語っているようで実に面白い。
中盤で味変。
さきほど下賜されたパルメザンチーズをしっかり振って、回収率の向上に努めます。
「インドとイタリアとドイツとフランスが、日本人の手により極めて高い次元で調和した素晴らしい料理だな」
などと考えながら、デミグラスソースとカレーをどんどん混ぜ合わせていきます。
もちろん完食、満腹です。
週末をインターナショナルな晩ご飯で締めくくることが出来ました。
夜総合点★★★☆☆ 3.5
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