銀座一丁目で打合せが終わったら、ちょうど12時でした。
「近くに美味しい蕎麦屋があるんだよ。懐かしい店でさ」
と半ば強引に部下女子を拉致して連れて行ったのは銀座長寿庵。
「元祖鴨せいろ」を自慢とするお店です。
かつて職場が築地にあった頃、初めて連れて来てくれたのは、当時のビッグボス。
かれこれ30年以上前、名古屋支社から転勤したてで、どこでランチを食べたら良いか全くわかっていなかった頃の話です。
それ以来、すっかりお気に入りとなり、昼は鴨せいろ、夜は蕎麦焼酎で一杯、とよく通いましたが、職場が新橋、そして虎ノ門と移るに連れて訪れる機会はめっきり減りました。
銀座と言いながらも、昭和通りよりも東は、築地の香りがする古い町が残っています。
この店も、銀座と言いながら、雰囲気も味も接客もお値段も、全てに下町を感じさせてくれるのが、お気に入り。
12時にチェックインして二階席に案内されます。
ものの5分程で満席になりました。
注文は、もちろん名物の鴨せいろ。
めったに来れないので大盛にしましたが、ここはデフォルトが大盛なのを注文してから思い出しました。
そば茶を飲みながら出てくるのを待ちます。
混み合っていて、ちょっと待ちました。
久しぶりのご対面。
「やっぱり、多かったな」
と思っても、後の祭り。
と思っても、後の祭り。
ここの鴨せいろは、濃いめのツユに、鴨肉もネギもゴロゴロ入っています。
蕎麦もデフォルト大盛で、味も鑑みればコスパは抜群です。
卓上のすりごまをたっぷりと鴨汁に入れるのが、ここの鴨せいろのお作法。
蕎麦を手繰って鴨汁にくぐらせ、一気に啜れば、新蕎麦の風味と、鴨汁の旨味に、ゴマの味も加わって、実に美味。
「懐かしいなぁ。やっぱり旨いなぁ」
と思って二口、三口と啜っていると、あることに気が付きました。
と思って二口、三口と啜っていると、あることに気が付きました。
「生卵忘れてるじゃん!」
慌てて追加オーダーをしますが、混んでいて、出てくるまで少し待ちました。
「なんと落ち着かない上司だろう」と彼女には思われたでしょうが、鴨せいろに生卵は欠かせないのです。
無事到着した生卵を鴨汁にツルンと投入し、箸入れの儀。
無事到着した生卵を鴨汁にツルンと投入し、箸入れの儀。
これを麺に絡めれば、生卵無しの何倍も美味しいのです。
いくら食べても減らない鴨せいろに、嬉しい悲鳴です。
最後はもちろん蕎麦湯で〆。
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