小柄で可愛いお嬢さんですが、顔に似合わず酒豪で、探究心が旺盛。
彼女が十三で飲みたい時は、私がボディガードとして声がかかるのです。
それほど治安が悪い訳ではありませんが、阪急沿線には珍しいディープエリア。
あの火災で燃えた西口のションベン横丁は、瓦礫の整理も終わりずいぶんと綺麗になりました。
この地図を見ると、懐かしい店がずいぶん燃えてしまったんだな、と思います。
愛着のある私は、悲しい限り。
待ち合わせて向かったのはきんぎょ。
阪急神戸線を跨ぐ陸橋の近くにある小さな立ち飲み屋です。
ここは彼女のお気に入り。
10人も入れない小さな店ですが、何とか一番奥に潜り込ませてもらいました。
まずは生ビールで乾杯。
今日はメニューがいつもと違います。
マスターに聞けば、先週お休みをしてタイ旅行に行っていたので、今日は特別にタイ料理尽くしにしたとか。
タイ料理が好きな私には有難い幸運。
良い日に来ました。
タイ料理の仕込みで用意されているカニ。
私の好物のタイ料理なので、私が彼女からチョイスを任されました。
パッタイ。
ガパオ。
タイライスも別に頼む事はできましたが、私たちは飲みたいので、これをアテで食べることにしました。
プーパッポンカリー。
カニと卵のカレー炒めです。
カウンターの上のカニがたっぷり入っています。
食べるほどの身は入っていませんが、器用にチュウチュウとエキスを吸い出します。
十三の立ち飲み屋とは思えないラインナップ。
当店の名物、こぼれスパークリングを注文しました。
日本酒のように升にこぼすほど入れてくれるのです。
これは二人ともお気に入り。
我々の後も、何組かお客さんが顔を覗かせましたが、満席なので店主が申し訳なさそうにお詫びをしていました。
小さな店ですが、料理も美味しく、優しい店主の人柄もあって人気のお店です。
二軒目をどうするか、Aちゃんと相談。
彼女は寿司屋というアイデアを出してきましたが、私はお好み焼き屋という対案を出しました。
どちらもディープな店なのですが、たぶん私の知っているお好み焼き屋の方がディープ度合いは上のはず。
十三交差点を北西に渡ると、そこは西口駅前とはまた違った風景を見せてくれます。
十三の奥深さを感じる瞬間です。
こんな飲食店街を抜けた先にあるお好み焼き都。
支社の飲み仲間のK次長に教わった店。
一年半ぶりの再訪です。
美人のママが一人で切り盛りする小さなお店。
何をおいてもママにお酌をするのが、この店の流儀。
撮影・掲載許可済み |
Aちゃんは相当戸惑っています。
確かに若い女の子にはこの店はディープ過ぎるかもしれません。
「おまかせで頼みます」
という私のオーダーを聞いて、ママは大きな薄切りの牛肉を醤油にくぐらせて鉄板に広げます。
貝割の牛肉巻き。
これはなかなか旨い。
続いて麺もの。
まずは野菜を炒めます。
うどんが投入されました。
焼きうどん二人前。
ポン酢しょうゆで頂きます。
なかなか旨いのです。
店内に飾ってあるママの写真。
大変な美人です。
居合わせた常連の女性によれば、ママが59歳の時の写真だとか。
「私も59やねん。えらい違いやわぁ」
と聞いてもいない個人情報を語るところが、浪速の下町居酒屋に集う人たちの面白さ。
ママは今、79歳。
私の母とそれほど変わりません。
Aちゃんがおっかなびっくりでママへお酌。
そんなにビビる話ではないのですが。
「しかし肌の艶がいいですよねぇ」
と私が言うと
「そやねん。毎日オイルパックしてるから」
と前回と同じギャグ。
鉄板焼きの油のことを言っているのです。
実にキュートでチャーミング。
撮影・掲載許可済み |
そんな話をしていると、常連の59歳の女性が
「彼女は女優さん?別嬪さんやねぇ」
と話しかけてきます。
相当酔っているいるようで、ママからも窘められています。
「こんな可愛い人、女優さんでしょう。あなたはプロデューサー?」
と言われる始末。
Aちゃんは「女優」「別嬪」を連呼されてすっかり照れています。
そんな会話も楽しい十三の夜。
お任せの締めはお好み焼き。
豚ミックスです。
いい塩梅に焼けてきました。
鉄板に生卵を割り、そこへ焼けたお好み焼きをオン。
出来ました。
その後私たちの隣に座った男性の常連さんともいつの間にか仲良くなって、会話の輪は広がります。
そんなところが大阪の下町飲み屋のいいところ。
東京暮らしが長い私ですが、こんな時に
「やっぱり大阪って良いなぁ」
と思います。
「すいません、お会計」
とママに言うと
「3,300万円!」
と言われました。
一万円を渡すと
「おおきに。はい、700億円」
とお釣りを返されました。
大阪の街、十三という街にますます愛着を感じながら、ママと常連さんにご挨拶をして店を出ました。
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