阪急東通商店街の東端神山町。
彼方には阪急百貨店のビルが見える梅田のお膝元ながら、怪しげな風俗店が軒を連ねるディープエリア。
特にこのあたりから堂山町にかけて、阪急東通商店街の北側はゲイタウン。
東京で言えば新宿二丁目といったところでしょうか。
「東通商店街の端っこにええ焼酎バーがあんねん。焼酎の品揃えもええし、レアな金霧なんかも置いてるんや。ニューハーフのママがやってんねんけど、土地柄女装したお客も多いから変わった雰囲気やで」
と同期のM君。
「そこって発展場みたいな店なの?」
と私。
「いや、そんなことないねん。普通の人も多いし。それに、マスターの作る料理が旨いから、晩ご飯食べに来る女の子も多いみたいや」
この手の話になるとママとか女の子という単語を頭の中で変換しなくてはなりません。
コスプレしゃぶしゃぶの向かい。
いつもジムの帰りに通る道なので知っていたのですが、件の焼酎バーはこの妙な風俗レストランの向かいの古い雑居ビルの三階にあります。
焼酎 Bar 純。
カウンターだけの小さな店。
この店は3,000円払えば持ち込み可能。
最近M君がハマっているというスペインのワインを持ち込んで飲むことに。
料理が上手いというマスター真人さんが注いでくれます。
彼がゲイかは定かではありませんが、物腰はしなやか。
本日二度目の乾杯。
しっかり重めの赤。
これがレアな金霧島。
その横には桐箱に入った激レアの玉金霧島(ぎょくきんきりしま)。
「たまきんとは読まへんのやな」
と下世話な酒場ネタをかますM君。
カウンターの後ろの棚には銘品が揃っています。
アテが出てきました。
そこへ美人ママが出勤してきました。
笑顔がとてもチャーミング。
「私、ずっと苦しかったんですよ、男でいることに。今は本当に幸せです」
と屈託なく笑います。
2年前にお店を出すまでは高校教師。
「私は女性ホルモンだけで、手術は一切していないんです」
男子トイレや男風呂に入るときの苦労話は聞いていて思わず吹き出す爆笑ネタ。
「本名が純で良かったです。純一とかだと名前と違和感があったから」
撮影・掲載許可済み |
こんな会話をしていると、キワモノの店のようですが、実はとても真面目に焼酎と向き合っている質の高いお店。
八丈島のはるか南、青ヶ島の青酎がありました。
アルコール度数35度。
入手困難な激レア焼酎。
さつま芋と麦麹という芋麦混合の焼酎。
住所は青ヶ島村無番地と書かれています。
つまり番地がいらないほど小さな村ということです。
ラベルの印刷も素朴。
後で調べたら、同じ銘柄でも9人いる杜氏によってラベルが違い、味が異なるとありました。
そんなユニークな焼酎は聞いたことがありません。
まろやかですが、高度数からくるガツンとしたパンチもあり、ワイルドな味わい。
これは旨い。
真人さんにもご登場願いました。
実は二人は共同経営者。
店のBGVは彼の趣味でJAZZ。
撮影・掲載許可済み |
坐忘(ざぼう)。
黒麹無濾過の芋焼酎はやはり30度の高度数ならではの旨味と深み。
赤霧島と同じムラサキマサリを使った紫王道。
手間のかかる製造工程のため、非常に手に入りにくい数量限定の焼酎。
私の大好きな屋久島の三岳と明るい農村の姉妹品、農家の嫁。
飲み比べてみました。
農家の嫁は、黄金千貫を炭火でじっくり焼き芋にして原料にしています。
ほんのり甘く鼻を抜ける焼芋の香ばしい風味、コクのある甘味が感じられます。
個性的な芋焼酎の数々を堪能し、純ちゃんとの会話も大いに楽しんで、お会計は3,000円。
実にいい店を紹介してもらいました。
↓ クリックお願いします(^^)/
焼酎Bar純 (焼酎 / 中崎町駅、扇町駅、東梅田駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.3
0 件のコメント:
コメントを投稿