そのふた月前に局内で異動した彼の元部下にあたるN部長の送別を兼ねての会。
肉好きのN先輩が連れて来てくれたのは、浅草鍵盤通りにある肉のすずき。
2011年の春に私が友人たちと初訪問したのですが、あまりの美味しさとコスパの良さに、先輩にご紹介したところ、彼はそれ以来すっかり気に入って常連となったのです。
私自身は大阪転勤中の4年前、一時帰省中に家族と来て以来4年ぶりの訪問。
精肉店が経営するお店だけに、入口のドアが業務用冷蔵庫のそれになっているのがユニーク。
店内は浅草らしい寄席を彷彿とさせるインテリア。
まずは生ビールで乾杯。
お皿が出てきます。
左からポン酢、レモン、醤油。
もちろん大根おろしと山葵、塩も。
いい肉はできるだけ素材の味を活かした方が良いので、焼肉のタレよりは、こうした調味料の方が旨いのです。
キムチの盛り合わせ。
当店名物のトマトに加え、今回は梅干しもありました。
最初は特選和牛タンから。
まるでフレンチのようなプレゼンテーション。
こんなに厚切りのタンは滅多にお目にかかれません。
ステーキのようです。
これは山葵だけで頂いてみました。
チョレギサラダ。
続いて特選和牛ハラミ。
素晴らしいサシ。
これはお醤油で。
ビールが進みます。
早くもお代わり。
いよいよメインの和牛特選盛。
本日の希少部位からの四種類です。
この店は山形牛のA5等級。
しかも未経産の雌牛にこだわっているのは、肉質の柔らかさが違うからだそうです。
肉博士のN先輩のお話。
座布団、イチボ、芯々、ランプ。
常連のN先輩ですから、当然お店もサービス。
先輩も唸る、見事な希少部位の中の希少部位。
早速焼いていきます。
あまり焼きすぎてはいけません。
さっと炙るように焼いて、肉の旨味を閉じ込めます。
ハサミで三等分。
食べ進むうちに、感動の溜息。
「これは旨い」
焼肉にはやっぱり炭酸系。
角ハイボールにします。
いいお肉は脂も多いので、量の割にお腹が膨れてきます。
「もう一つくらい頼もうよ」
という先輩の勧めに応じて、特選カルビを一人前追加しました。
これがカルビなのでしょうか。
驚きの美しさ。
贅沢なステーキです。
もちろん醤油で。
大根おろしと山葵添え。
「ここのウインナー食べたことある?これがまた旨いんだよ」
と先輩がオーダーしたリングウインナー。
一本が長いので、三人でちょうどいい位。
焼くと丸まってハート形になるのが可愛い。
私は更に角ハイボールをお代わりします。
これはケチャップと粒マスタードで。
さすがにご飯ものはもう入りません。
山形牛入りカルビスープを〆に注文し、三人で分けることにしました。
すっかり先輩にご馳走になりました。
鍵盤通りから浅草寺の境内を抜け、ブラブラと浅草駅に向かって歩きます。
今日はほぼ満月なのでしょう。
丸いお月様と浅草寺、スカイツリーが美しい。
桜のつぼみもほころび始めました。
春は、もうすぐそこまで。
雷門の化粧直しもいつの間にか終わっていました。
転勤前はよく飲みに来たエリア。
ご無沙汰している下町居酒屋を、また巡ってみることにします。
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