2018年5月25日金曜日

下町居酒屋、かくあるべし。昭和レトロな曳舟「大衆酒場 岩金」でご常連に交じって強炭酸の下町ハイボールをグイグイ

大阪から帰任してもう2年以上経ちましたが、まだご挨拶に行けておらず、ずっと気になっていたお店があります。
大門の出先で仕事が終わり、直帰。
ちょうど都合がいいと、浅草線に乗って京成曳舟駅へ。
実にユニークな駅名ですが、現在の行政区分には存在しない地名です。
江戸時代、曳舟川(現在は暗渠)があったのがその由来。
江戸初期に葛西用水と呼ばれ飲料用水として利用された役割を終え、灌漑用に水路化した江戸時代半ばに、小舟を川沿いから牽引する「曳舟」に多用されたことからこの名がついたと言われています。
荒川と隅田川に挟まれたこの地域は朱引のギリギリ内側。
江戸とは名ばかりののんびりとした田園風景の中、農夫が曳舟をする光景が眼に浮かぶようです。


高架になる前は味のある駅前で、「元祖焼酎ハイボール」で知られた名店三祐酒場もあったのですが、今は高層マンションや大型スーパーが建つ、どこにでもある風景になってしまいました。


そんな駅前から歩くこと5分。
決して便利ではない場所にあるのが大衆酒場 岩金です。
隣には新しいマンションが。
前回来たときは、まだ建設中だった気がしますが、記憶は曖昧です。


色褪せた看板と年季の入った長暖簾。
これは変わっていませんでした。


暖簾を潜って店内へ。
女将をはじめ、従業員は全員女性。
私はここを「下町のガールズバー」と勝手に呼んでいます。
地元向島のご常連がカウンター席に。
ネクタイ姿はもちろん私だけ。
当たり前ですがオッサンばかり。
でも、以外と私が年長者かもしれないな、と思いました。


ここに来たらハイボール
といってもウイスキーハイボールではありません。
下町でハイボールといえば、焼酎ハイボールのこと。


梅エキスで前割した焼酎と、下町の強炭酸ヤングホープが出てきます。


自分で割る作業が楽しい。


戦後の混乱期にウイスキーハイボールに似せて生まれた代用飲料。
似ているのは色だけですが、私は大好きな飲み物です。


つまみの品定め。
昔とほとんど変わらないラインナップにホッとします。


たまご好きの私の目に留まったのは、もちろんベーコンエッグ


醤油をかけて。


恒例「箸入れの儀」。
絶妙な半熟が嬉しい。


もつ焼きを頼みます。
豚カシラ塩


七味を振って。
もつ焼きの専門店ではない大衆酒場ですが、レベルは高いです。


久しぶりの下町ハイボールが美味しくて、たちまちお代わりです。


テレビはイブニングニュース。
西城秀樹が亡くなった話から日大悪質タックル事件まで、お互いに雑学を披露していますが、どこまで本当なのかわからない酒場の与太話。
そんな話を肴に下町ハイボールをグイグイ。


もう一つどうしても食べたい料理があったので頼みます。
もちろんハムカツ


いつの間にか三杯目。
今日は懇親会をこなしてからこちらに来ているので、既にアルコールはかなり注入されています。


ソースをかけて。


肉厚なのが嬉しい。


いつの間にかご常連は引き上げて、代わりにこの店には場違いな感のある若い女性グループ客がテーブル席へ。
私もそろそろ引き上げましょう。


2,000円ちょっとのお会計を払って表に出ると、旧国道6号線の向こうにはスカイツリーが見えました。
下町の原風景は、どんどん消えていくようです。


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夜総合点★★★☆☆ 3.5

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