「この先に江戸善っていうから揚げの店があるんですよ。跡継ぎがいなくて今月いっぱいで閉めるんで、最近大行列ですよ」
そう聞いて行かないわけにはいきません。
今回の長崎旅行のメシ屋を紹介してくれた飲み友達のIさんのリストには無い店ですが、桃若の女将が言うなら間違いないでしょう。
桃若から狭い路地を数分歩いた先にありました。
21時だというのにこの行列です。
二階もあるようです。
それでもこの行列なら、いつ席が空くかわかりませんが、急ぐ旅でもないので行列に並ぶことにしました。
暖簾の隙間から店内を窺うと、続々とから揚げが揚げられています。
56年の歴史に幕を閉じるそうです。
昭和の店がまたひとつ消えてゆきます。
今日ツアーに出かけた軍艦島を思い出しました。
いかにも渋い昭和の店。
コの字型のカウンターと小上がり。
二階はきっと座敷なのでしょう。
石を敷き詰めたコンクリの床も、私的には世界文化遺産の価値があります。
今日はもうから揚げと枝豆と冷奴とのり茶漬しか無いそうです。
ビールとから揚げを注文しました。
私の母親くらいの年配の方がホール係。
何十年もこの店で働いてきたのでしょうか。
思わず私が運びますと言いたくなるような、おぼつかない足取りです。
ビールを飲みながらから揚げを待ちます。
黙々とから揚げを揚げ続ける店主。
しかし一向に出てくる気配はありません。
普通、から揚げといえばファーストフード。
いったどれだけのお客さんがいくつ発注しているのでしょうか。
30分待ってようやく出てきました。
行列に並び始めてから1時間後。
もも肉のから揚げを想像していましたが、いろんな部位が入っています。
ももや胸、手羽の骨付きもあって、味に変化が楽しめるという意味ではユニーク。
鶏肉そのもののジューシーな味が感じられます。
しっかり味のついた衣はビールにぴったり。
カラッと揚がって美味ですが、どこか素朴な家庭的な味。
私が食べているうちに、とうとうから揚げも無くなりました。
時計を見れば22時。
今日はこれにて閉店のようです。
カウンターでお会計。
伝票の山から私の伝票を見つけられない女将に自己申告してお会計。
なんとものどかな話です。
思いもかけないお店との出会いも、旅の愉しみ。
二度と訪れることが出来ない店に軽く一礼して、次のお店へと向かいました。
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江戸善 (焼き鳥 / 思案橋駅、観光通駅、西浜町駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.1
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