貧乏性の私は、転勤前のご挨拶にどこに行こうかとソワソワ。
急に思い立って、西成のなべやに電話しましたが、さすがに12月のこの時期は忘年会シーズンとあって満員札止め。
それでもどこかにご挨拶回りに行きたい私は、阪急中津駅ガード下の大衆居酒屋いこいが頭に思い浮かびました。
どうせ行くなら、大勢の方が種類が食べられます。
それだけの理由でT部長、N君、K君の三人を半ば強引に誘いました。
阪急梅田駅からひと駅。
なんとも古いガード下にその店はあります。
大衆酒場、食堂の文字が嬉しいいこいです。
暖簾をくぐって店内へ。
ところが今日は予約で満席です。
「この店に予約って。しかも満席って、どういうこと?」
と、私も驚きました。
こんなことは初めてです。
やはり今週末が忘年会のピーク。
一年中毎日飲んでいる私には、世間様の季節感がわからなくなっていたのです。
「カウンターの向こうが空いてるから、こっちに回って」
とホール係のおじさんに言われて、隣の別の入口から入ります。
こんなスペースがあるのは知りませんでした。
カウンターの向こうに、テーブルが二卓。
その一番奥の席。
このお店の常連なら皆知っている「使用禁止」のトイレのドアの前。
こちら側にも入口があるとは知りませんでした。
まずは生ビールで乾杯。
この場所はやけに隙間風が入り、冷え込みます。
隣を走るJR貨物と、上を走る阪急の振動でかなり地面が揺れる感じ。
皆はどうかわかりませんが、私は大好きな雰囲気です。
早速オーダーしましょう。
ポテトサラダ。
案の定、食べたことがなく、そしてその想定外の柔らかい食感に驚いていました。
鯨ベーコン。
はもの皮。
一人では食べられないラインナップに、密かにほくそ笑む私。
更に串かつを一人1本で。
「いこい感」が出て来ました。
私の希望で厚揚げ焼。
やっぱり隙間風が冷えるので、温かいものが欲しくなります。
飲み物を切り替えます。
私はプレーン酎ハイ。
他の三人は日本酒の熱燗。
やっぱり彼らは寒いようです。
暑がりの私はそれほどでもありません。
いこい名物のどて焼。
大阪らしいきずし。
腹持ちがいいものを頼むことにしました。
若鶏のから揚げと野菜いためです。
ジャンクな感じがなんともいい。
野菜いためはソース味で焼きそば風です。
私は角ハイボールにチェンジ。
焼きそばを頼みました。
塩味で。
「塩味の方が、口の中にひっかかる感じがして、酒のアテにいい」という飲み友達の話を聞いて以来、それを実践していますが、確かにそう感じます。
これは私的にはマストアイテムのだし巻。
一見巨大に見えますが、たっぷりのキャベツとレタスにのった上げ底。
とはいえ、それなりに大きいのも事実。
みんなと来たお陰で、食べたいものが頼めて、悔いの無い「ラストいこい」を堪能できました。
東京から来たばかりのN君は浪速居酒屋文化に相当衝撃を受けていますが、受容性は高いので大丈夫でしょう。
会話も弾み、結果的には楽しい中津の夜となりました。
お安いお会計を済ませて、30秒でホームへ。
それぞれに向かう方向が異なります。
この激狭のホームに降り立つことも、もう無いでしょう。
梅田行の電車に乗り込みました。
南森町に帰って、ホワイトラベルにチェックイン。
カウンターの端の男性二人連れのうちのお一人が私の方を見ています。
どうやら、いつものパターンのようです。
マスターの仲介でご紹介。
私のブログでこの店や美尋を知って通うようになった方。
もう2年になるそうですが、私と会うのは初めてで、握手を求められました。
私はただ、自分の単身赴任生活を日記に書いているだけで、宣伝しているわけでもない私的ブログなのに、と本当に不思議な気分です。
その方々が帰られて、入れ替わるように深夜組が現れます。
超常連のMさんが、最近東天満に出来た海団治のたこ焼きをお土産で差し入れてくれました。
気が付けば1時です。
明日はM部長の送別と、T部長、N君の歓迎を兼ねた部の忘年会。
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